卓球王国 2024年12月20日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
中国リポート

中国チーム最後の熱身賽、馬龍が新鋭・袁励岑に屈す

7月8〜10日に行われた、中国チームが五輪前に行う最後の「熱身賽(エキシビションマッチ)」。個人戦は男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの5種目が行われた。まず男子シングルスの結果は下記のとおり。A〜Cの3つのグループに分かれて試合が行われた(結果が確認できた試合のみ掲載します)。

〈男子シングルス〉
●グループA
馬龍 4、−10、7、6、6 梁靖崑
馬龍 7、10、7、−10、6 向鵬
袁励岑 −4、9、9、9、−4、−13、7 馬龍
袁励岑 −3、7、3、−6、9、14 向鵬
袁励岑 9、−10、9、−3、10、7 梁靖崑
梁靖崑 9、−10、7、−9、5、−9、10 向鵬

グループA、最大の波乱は馬龍が袁励岑(ユエン・リィツェン)に3−4で敗れたことだ。6ゲーム目にマッチポイントを3回握られながらも逆転し、最終ゲームに持ち込んだが、最終ゲームは3−3から3−8まで離されて7−11で敗戦。試合後、「コース取りに特徴があり、攻めが早くてサービス・レシーブも緻密だ」と袁励岑を讃えた馬龍。馬龍が袁励岑に敗れるのは初めてではなく、昨年12月の中国スーパーリーグでも敗れている。

袁励岑に金星を献上した馬龍。少々疲れもあるか……

21歳の左シェークドライブ型、袁励岑は奇しくも馬龍と同じ「卓球の街」遼寧省鞍山市の出身。中国男子の左シェークドライブ型は、王楚欽、林高遠、周雨など攻撃重視のスタイルが多いが、袁励岑は得点のパターンが非常に多彩。相手の強打を誘ってのカウンターや巧みなハーフロングサービス、上回転のラリーでの絶妙なボールタッチなど、どこか「キング」水谷隼を彷彿とさせる部分がある。何より、サービスの構えに入った時に醸し出す「雰囲気」が良い。日本男子と同様、左腕の有望な若手が多い中国男子だが、またひとり楽しみな若手が現れた。

馬龍を破った袁励岑、ルックスも卓球もなかなか渋い

●グループB
樊振東 8、5、9、−10、8 徐晨皓
樊振東 −5、6、7、10、9 周啓豪
樊振東 7、6、−6、8、7 周雨
徐晨皓 9、10、8、−3、6 劉丁碩
劉丁碩 6、−9、6、3、9 周啓豪
周啓豪 7、4、6、−10、10 徐晨皓

グループBは樊振東が3連勝。5月3〜7日に行われた『2021直通WTT大満貫・世界選手権』男子シングルス決勝、6月20〜23日のエキシビションマッチでの中国一団対中国三団戦で敗れている周啓豪が同じグループに入ったのは、首脳陣からの「追試」か。周啓豪は徹底して樊振東のフォア、そしてミドルにボールを集めたが、樊振東は10−7のゲームポイントから10−10に追いつかれた4ゲーム目を12−10で奪取。5ゲーム目は7−9から10−9と逆転し、最後はフォアサイドに来る周啓豪のチキータを鮮やかにフォアストレートへカウンター。鮮やかな一撃で締めた。

 

●グループC
王楚欽 8、3、−9、7 林詩棟
林高遠 9、5、3 趙子豪
王楚欽 10、9、8 趙子豪
王楚欽 11、10、9 林高遠
趙子豪 11、−10、5、5 林詩棟
林詩棟 7、3、−9、11 林高遠

もうひとりの五輪代表、許シンは男子シングルスには出場せず、グループCは五輪代表が不在。5ゲームズマッチで試合が行われ、王楚欽が3連勝した。右シェークドライブ型の新鋭・林詩棟は林高遠を破ったものの、1勝2敗という成績に終わっている。

関連する記事