世界選手権ダーバン大会日本代表は、東京・北区にある味の素ナショナルトレーニングセンターでの公開練習に続き、午後から日本選手団記者会見に出席。選手、監督が大会に向けての意気込みを語った。
会見の冒頭、日本男子を率いる田勢邦史は5月11日に出場辞退が発表された篠塚大登(愛知工業大)について触れ、「日本男子として、篠塚の分まで頑張ってきたい」と語った。田勢監督のコメントは下記のとおり。
●田勢邦史監督コメント
「男子は5月8日に集合して大会に向けて調整を続けている。開幕まで時間があるので、現地に入ってしっかり最終調整を行いたいと思います。男子は今大会、3つの目標を掲げています。まず1つは出場するすべての種目で金メダルを目指すこと。2つ目に先日行われたWBC野球日本代表のような、チーム一丸の姿勢で我々も戦うこと。そして3つ目に欠場することになった篠塚の分もみんなで頑張ってくること。この3つを目標に掲げ、世界選手権、頑張ってきます」
続いて日本女子・渡辺武弘監督は「戦いぶりで感動を届けたい」とコメント。そして「打倒・中国」という言葉に熱を込めた。
●渡辺武弘監督コメント
「2年前のヒューストンでの個人戦では女子ダブルスで銀メダル、混合ダブルスで銀メダルを獲得しましたが、シングルスでは5名が出場した中で4名が中国選手に敗れ、昨年の成都での団体戦も決勝で中国に敗れるという結果でした。私も選手も中国を破らないと評価をしてもらえないというくらいの気持ちで、打倒・中国で頑張っていきたい。男子の田勢監督も言われましたように、昨年のサッカーW杯、今年のWBCでの日本代表の活躍には私自身も非常に感動しましたし、日本国民の皆さんも感動したと思います。今回は個人戦ではありますが、選手の戦いぶりで感動を届けられるように頑張りたいと思います」
その後、出場10選手もそれぞれ大会についての抱負を語ったが、最も会場を沸かせたのがトリを務めた戸上隼輔(明治大)。いきなりお決まりの「元気ですか!」を披露すると、開催地・南アフリカで使われるズールー語で「ウンジャーニ!(元気ですか!)」と続けて会場に笑いを起こした。前回大会では3位に入賞した宇田幸矢(明治大)との男子ダブルスでは「金メダルが目標」と語ったが、ぜひ南アフリカの地で「ウンジャーニ!」を披露してほしい。
また、アフリカ大会での世界選手権開催は1939年のエジプト大会以来、実に84年ぶり。南アフリカでは初の開催となるが、2016年には同国のケープタウンで世界ジュニア選手権を開催。今大会に出場する張本智和(智和企画)が男子シングルスと男子団体で二冠、伊藤美誠(スターツ)、早田ひな(日本生命)、平野美宇(木下グループ)を中心に戦った日本女子が団体で優勝を果たした。早田はそのことに触れて、「南アフリカでは良い思い出があるので、今回もそれに続けるように頑張りたい」と語った。
卓球が盛んとは言えない南アフリカでの開催ということで、現地のファンにどんな部分をアピールしたいかという質問に対しても全選手がコメント。吉村真晴(TEAM MAHARU)は「調子が良い時はプレーとプレーの間に走り回ったり、ステップが出るんですけど、現地の方々に負けないだけの軽やかなステップを披露できたら」、及川瑞基(木下グループ)は「ぼくは顔が濃いので、現地の人に間違われないように日の丸をアピールして、日本人らしく元気よくプレーしたい」と回答。最後の回答者となった長﨑美柚(木下グループ)も「最近はフィジカル強化に力を入れているので、脚に注目してほしい」と答えて笑いを誘った。
日本代表は明日までナショナルトレーニングセンターで練習を行い、明後日14日にダーバンへ向けて出発。20日の開幕に向けて現地で調整することとなっている。
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