2022,2023年全日本チャンピオン、パリ五輪代表の戸上隼輔(井村屋グループ)がドイツのブンデスリーガ1部リーグ「オクセンハウゼン」と契約したことを発表した。5月23日に木下マイスター東京の退団が発表された戸上、ブンデスリーガでのプレーは2シーズンぶりとなる。前回も「オクセンハウゼン」でプレーしたものの国内での五輪選考会などもあり、数試合のみの出場だった。
「オクセンハウゼン」は今シーズン(プレーオフ準決勝と決勝はこれから)、ゴーズィ(フランス)、ロブレス(スペイン)、鈴木颯(日本)などがプレーしたが、レギュラーシーズンは6位に終わっている。戸上が加わり、カルデラノ(ブラジル)、ゴーズィ(フランス)とともに優勝を狙えるチームとなる。
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●ーブンデスリーガに挑戦する理由は?
戸上 海外でもう一度プレーしたいという気持ちがずっとありました。2年前にブンデスリーガで1シーズンプレーしましたが、国内での五輪代表選考会や他の試合で8試合くらい、トータルで1カ月~2カ月くらいしかプレーできませんでした。今回、このような形でブンデスリーガで試合をできるチャンスをもらえたことをうれしく思うし、自分にとって挑戦するべき機会ととらえています。
●ー日本ではなく、ドイツ行きを選びました。何を求めてドイツへ行くのですか?
戸上 Tリーグは年々レベルも高くなっていて、やりがいを感じていますし、自分の成長につながったと思います。ただ自分としては違う刺激が欲しかったのです。異国の地に行き、自分が挑戦する気持ちでヨーロッパのトップリーグである、ドイツのブンデスリーガで戦うというのはTリーグとは違う刺激があります。今はそれが自分にとって必要なのかと感じています。
●ーブンデスにはヨルジッチ、ボル、チウ・ダン、シェルベリ、来シーズンはオフチャロフという、世界ランキングでも戸上くんよりも上位の選手たちがいます。
戸上 2年前の自分と今の自分ではレベルもかなり違います。どれだけ自分の力が通用するかを試したい気持ちです。パリのオリンピックが終わってすぐにドイツのシーズンが始まりますが、次の28年のロス五輪に向けての大事なシーズンだと思います。そこでオリンピックが終わったから休憩というよりも、オリンピックが終わって、すぐに次のオリンピックを目指すという自分の覚悟も必要かなと思っていました。
●ー今度はフルシーズン、ドイツに滞在し、その合間にWTTや全日本選手権に出ることになります。前回とは違いますね。
戸上 自分としてはドイツに滞在してプレーしたかったですね。2年前に国内選考会やWTTでチーム(オクセンハウゼン)にも迷惑をかけたので、今度のシーズンはチームの勝利に貢献したい。
●ーブンデスリーガは試合、移動、環境はタフなプロリーグですね。日本のリーグとは違いますね。
戸上 必然的に練習量は落ちると思うのでそこはひとつ不安ではあるけれど、チームメイトもみんなプロ選手なので、コンディションの作り方も含め、みんなマイペースですが、自分なりに強くなる方法を見つける良い機会と思っています。練習量を維持しながら、トップ選手とできるメリットもあるし、精神的にも強くなれるのかなと思っています。
●ー水谷隼さんもロシアリーグでメンタルが鍛えられたと言っています。日本だと何不自由なく、快適な環境だと思いますが、あえてハングリーな環境を求めているように見えます。
戸上 日本はやりやすい環境なので、(ドイツでの環境に)戸惑いはあると思うけれど、それも経験なので行ける時に行きたかった。
●ーパリ五輪はまだ終わっていませんが、その次のオリンピックのための準備として、どのようにシーズンにしたいですか?
戸上 日本という国はまだまだ若い選手がたくさんいます。パリ五輪では22歳の私が最年長ですが、少しでもとどまっていられない。ロス五輪では自分のピークに近いかもしれない。ロスで金メダルを取るためにブンデスリーガでたくさんトップ選手と対戦し、経験して、ブンデスリーガでも優勝して、世界のトップクラスに仲間入りしたいと思います。。
●ー頑張ってください。活躍を期待しています。
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