●女子シングルス1回戦(ベスト8決定戦)
伊藤美誠(日本) 6、−9、3、5 A.ディアス(プエルトリコ)
陳幸同(中国) −10、9、8、−10、3 スッチ(ルーマニア)
大会初日の最終戦、伊藤美誠とA.ディアスの一戦が終わり、伊藤がミックスゾーンに姿を現した時には、時刻はすでに22時40分を回っていた。長い長い大会初日、女子シングルス8試合を終えて伊藤が唯一のベスト8入りを果たした。
試合後の会場インタビューで「すみません、大きな声が出せなくてちょっと控えめになります」と観客に述べた伊藤。体調は万全ではなく、大会前の練習は十分にできなかったという。ゲーム間のベンチでもやや辛そうな表情を浮かべていた。
対戦相手は過去9戦9勝のA.ディアス。今年5月の世界選手権個人戦でも勝利している相手に対し、両ハンドの速攻とバック表ソフトの変化を織り交ぜ、出足から自信を感じさせるプレーを披露。2ゲーム目はフォアスマッシュにミスが出て落としたが、3ゲーム目以降のプレーは概ね危なげのないものだった。勝利の瞬間は静かに拳を固め、日本女子で唯一の女子シングルスベスト8入りを果たした。
「ディアス選手とは何回も試合をしていて、お互いによく知っているので接戦になることを承知のうえで試合をした。WTTファイナルを日本で開催できたことはとてもうれしくて、本当に久しぶりに日本で国際大会を戦えるのはとてもうれしいし、明日皆さんの前でまた試合ができるのがとても楽しみです」。試合後の会場インタビューでそう語った伊藤。明日の対戦相手は、これまで多くの接戦がありながらもまだ勝利を挙げていない陳夢。選考レースの最終局面で、天才・伊藤美誠の覚醒はあるのか。
女子シングルス1回戦のもうひと試合は、陳幸同がゲームオールでスッチに勝利。ラリーでの位置取りが抜群で、フォアのループドライブから打球点の高い両ハンド強打を打ち込んだスッチが好プレーを連発したが、最終ゲームは陳幸同が意地を見せた。しかし、28歳という年齢を迎えたスッチは全盛期と言える強さを見せていた。
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