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「世界ランキング1位を目指す」。次なる目標を語った伊藤美誠、23歳の再出発

今日、2月8日に行われた公開練習では練習を行わなかったが、練習後のテレビの取材と囲み会見に応じ、元気な姿を見せた伊藤美誠。目前に迫った釜山大会について、「いつ試合に出られるかはわからないけれど、出た試合は責任を持って目一杯楽しみたい。今回は3人(伊藤・早田・平野)がチーム最年長で、頼もしいふたりがいるので私も思い切ってプレーできます」と語った。

先月の全日本選手権では女子シングルス6回戦で敗れた伊藤。パリオリンピック・シングルス代表の2枚目の切符は平野美宇が獲得し、伊藤は試合後の会見で涙。「これで終われないという気持ちもすごくあるけど、終わりたいという気持ちもある。でも良いところで終わりたいから、もう少し頑張ります」と語っていた。その後、2月5日にはパリオリンピックの3人目(団体戦出場)の代表候補予定選手として、張本美和(木下グループ)が選出されたことが日本卓球協会から発表された。

まだ23歳という年齢ながら、今後の去就についても注目が集まっていた伊藤。今日の囲み会見で次のように語り、「世界ランキング1位」という日本選手にとって未到の領域に挑む意志を示した。以下は伊藤のコメント。

テレビからの質問の後、記者の囲み取材に応じた伊藤

 「全日本選手権が終わったその日の夜に、新しい目標を立てました。私はもっと国際大会に出たい。五輪代表の選考レースの期間は国内の選考会もあったし、国際大会に出たくても出られない時もあった。これからWTTグランドスマッシュやWTTチャンピオンズ、女子ワールドカップなどビッグゲームがいろいろあるので、そこに出て世界ランキングを上げていきたい。中国選手と試合ができる機会ももっと増やしたい。

 五輪代表候補の予定選手については、2月5日の発表より前に連絡を受けていました。もちろん悔しかったし、これまでを振り返って「こうすれば良かった」という思いもあるし、すごく落ち込みましたけど、オリンピックに出場できなくてもまだ試合に出続けることはできる。国際大会にたくさん出て、試合の中で成長できる。それが私のしたかったことだし、これから大きな国際大会がたくさんあるので『よっしゃ!』と思いました。

 誰も成し遂げたことがないことを、成し遂げたいと思います。今まで日本選手で世界ランキング1位は誰も成し遂げていないし、達成すれば後世に残ることだと思う。一度の大会だけでなく、成績を積み上げた結果としてのランキングだから価値がある。

 今見ているのは目の前だけです。パリオリンピックまでの大きな大会にすべて出ること。来年の世界卓球がどうなるかはわからないし、4年後(ロサンゼルス五輪)についてもまだ選考方法すらわからないですから」(伊藤)

テレビ局からの質問を受ける伊藤を、報道陣が取り囲んだ

また、パリオリンピックの3人目の代表候補予定選手に選ばれた張本美和について、伊藤は次のようにコメント。自分と同じ15歳でのオリンピック出場を目指す後輩に期待を寄せた。「張本選手は今後の日本女子を引っ張っていく選手になる。私も15歳でオリンピックに出たし、その年齢で経験しておいたほうがいい。悔しい部分はあるけれど、楽しみな部分もあるし、実力から言えば張本選手なら納得という部分もあります」。

囲み会見の最後に、「釜山でやりたいこと」について尋ねられ、「韓国料理、めっちゃ食べたいです。あとはお買い物も行きたい」と表情を輝かせた伊藤。「料理だったらサムギョプサルと、あとは韓国でおばあちゃんとかが作るチーズラーメンが好きなんです。やっぱりご飯は大事なので、食べながら頑張ります」(伊藤)。

何度も笑顔がのぞいた伊藤。「韓国ではこじんまりしたお店でご飯食べたいですね」。

久々に見た、弾けんばかりの「みまスマイル」。心の中には整理しきれない部分もあるだろうが、東京五輪での混合ダブルスでの金メダル獲得、シングルスでの銅メダル獲得のように「誰も成し遂げたことがないことを、成し遂げたい」という彼女にエールを送りたい。ここからが競技人生の新章の幕開けだ。

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