女子では山泉和子(現姓伊藤)以来、半世紀以上達成されなかった三冠王。男女合わせても齋藤清以来、31年ぶりの快挙を達成した石川佳純。世界のトップ集団のひとりとして、日本女子を牽引する女王は、まだ21歳。それなのに決勝の森薗戦以外はすべて年下の挑戦を受けた。優勝後の会見では「ここまで向かってこられるのは初めてです。『え、こんなに(向かってくるのか)』と思ったほどだったし、自分でも思った以上にプレッシャーを感じていた」と語った。
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●−−準決勝の激闘の後、決勝まで少し時間がありました。相手は同級生の森薗選手でした。
石川 準決勝であれだけ苦しい試合をしたし、時間も空いてたから決勝まではしっかり準備ができました。相手が誰であっても自分との戦いだし、冷静に一球一球落ち着いてやろうと思いました。
●−−決勝に入る前の心理状態というのは、去年と比べてどうだったのでしょう?
石川 やっぱり絶対勝ちたい。ここまで何とか勝ってきて、粘ってきて、勝たないと意味がないと思ってました。
●−−森薗さんとは日本リーグではチームメイト(日立化成)であり、同級生ですね。
石川 去年のワールドツアーのロシアオープン(準々決勝)以来の対戦でした。やっぱり決勝で当たるとなると違いますね。森薗さんとは小学生の時からずっとやってきて、決勝で対戦できることもうれしかった。今回、ずっと年下としかやっていなかったので思い切ってやれると思いました。
今回は初戦から簡単な試合はひとつもなかったし、本当に苦しかった。思ったようなプレーは全然できないし、思った以上に相手は向かってきた。これが1年前の自分だったら耐えられなかったと思います。去年の決勝は調子はすごく良かったし、精神的にも技術的にもあの時点で一番強い自分でプレーできた。今年はそうではなかったけど、絶対負けないという気持ちを維持できたし、技術的にも精神的にも去年よりは強かったから乗り越えられた。だからこそ、3種目とも戦えたのかなと思います。
●−−優勝を決めた瞬間は?
石川 長い1週間が終わった~と思いました。
●−−去年より大会が1日長かったけど余計に長く感じましたか?
石川 それはありますね。シングルスとダブルスの順番も違うし、本当にしんどかった。
●−−ワールドツアーでは大体が金曜から日曜というのが試合のサイクルだけど。
石川 そうなんですよ。金・土・日曜に全力で戦うというのに慣れているので、今回はすごく長く感じましたね。日曜日までの道のりが長すぎて、気が抜けない試合が毎日続くのがつらかった。
●−−緊張感が切れないようにとか、リラックスできるように気を遣ったのかな。
石川 緊張感が切れることはないので、リラックスできるようにしました。でもできないんですけどね(笑)。
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