●女子シングルス1回戦
スッチ(ルーマニア) 10、7、−6、6 早田ひな(日本生命)
パリ五輪以来、およそ3カ月ぶりのコート。地元・北九州で実戦に復帰した早田ひなは、1ゲームを奪うもスッチに敗れ、初戦突破はならず……!
久々の実戦ということもあり、以前はほとんどなかった、ラケットの角にボールが当たる場面もしばしば見られた早田。変則的なスタイルのスッチを相手に、予測の部分でなかなか「勘」が戻らなかった部分もあるだろう。それでも試合が進むにつれ、ハイトスサービスからの3球目パワードライブなど、早田らしいパワフルなプレーが戻ってきた。
「オリンピックが終わって、違う自分として新しく取り組んできたことは120%出せたかなと思います」と試合後に語った早田。パリ五輪まで多用していた、前腕を使ったバックのカウンターではなく、 振り上げるように横回転を加えるバックハンドやカット性ショートを1ゲーム目から多用し、新たなスタイルへのチャレンジを見せた。1ゲーム目、10-9のゲームポイントを生かせなかったのが惜しまれる。
今後の試合については未定で、左腕の状況次第だというが、「試合が終わった後にケガがぶり返していないことがひとつの目標でもあった。今のところ大丈夫だと思います」とコメント。「いつも以上に大きな拍手をいただいて、負けている時も声をかけていただいて、いつも以上に幸せな時間だった」と地元でのプレーを振り返った。
「まだまだ時間はかかるかなと思いますけど、ケガをしたことで新たな自分の武器になりそうなものも見えてきた。パリ五輪までの自分は忘れて、また新たに生まれ変わって一つひとつ戦っていきたいですし、4年後に「本物」になれるように自分と向き合っていきたい」(早田)
一方、勝利の瞬間に歓喜を爆発させたスッチは、フォアのしゃがみ込みサービスから早田のミドルへ徹底してボールを集め、サイドに大きく動くほど威力を増す早田の強打を巧みに封じた。「今まで6回やって、一度も勝てていない相手に勝ててとてもハッピー。(早田は)本当に強い選手だし、オリンピックのメダリストに勝てたことは自信になりました。こんなにうれしいことはないです」とミックスゾーンで笑顔で語った。
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