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正解なき卓球の五輪選考方式。宮﨑専務理事「上位の選手が本大会に出る、日本で一番強い集団をオリンピックに送り込む」

今の時点での選考ポイントはまだ参考にはならないが、最後に重要な意味を持つかもしれない。現在1位の張本智和

 

張本同様に、選考対象の大会を連続して制覇した早田ひな。しかし、視線の先にあるのは五輪のメダルだろう

 

 

正解なき卓球の五輪選考方式。

日本代表決定という「答え」は

いつになるのだろう

 

選考ポイントが計算されているのはまだ2大会のみだが、9月3日からの第2回国内選考会、11月12日からの第3回国内選考会、そしてTリーグ勝利ポイントが積算されていく。

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パリ五輪選考ポイント上位8名
日本卓球協会発表(8月14日現在)
<女子>
早田ひな 75
木原美悠 55
長崎美柚 48
佐藤瞳  38
伊藤美誠 35
平野美宇 35
石川佳純 28
橋本帆乃香25
<男子>
張本智和 75
及川瑞基 48
横谷晟  45
丹羽孝希 40
有延大夢 33

吉村真晴 30
篠塚大登 28
曽根翔  23

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宮﨑氏が言うように「NFがシングルス枠の2名を決めても良い」とITTFが「五輪選手の選手資格」に追記するのだろうか。
正式文書として追記、もしくは修正されないと、「団体戦の出場資格を得たNOC(各国のオリンピック委員会)の団体戦3名のうちの世界ランキング上位2名(24年6月18日付)がシングルスに出場する」が実行される。そうなった場合、それまでの選考会の意味はなくなってしまうのか。それとも、世界ランキング上位者と日本独自の選考方式で決めた2名が違った場合は、日本卓球協会は「キャンセル」という方法を使えるのか。日本卓球協会はITTFからの返答を待つしかないのだろう。

今後、WTTが機能しても、世界ランキングは参考にされないと宮﨑氏は言明する。協会が発表した「パリ五輪日本代表候補選手の考え方」には「 WTTの国際大会について、全ての選手に出場基準が平等になれば、出場に際し国内選考会を開催すると同時に、この2024年パリオリンピック選手選考基準に追加で組み入れることもあります」と明記しているが、現時点ではWTTの出場機会は平等ではないと考えられているようだ。

五輪でのメダル獲得に向けての準備をしている日本のトップ選手は選考会でも勝ち、WTTでも勝って、パリに向かう覚悟をしているはずだ。しかし、まずは国内選考会等で勝って、チャンスをつかみたいという選手もいる。また、競技方式の違う団体戦のTリーグの勝利を選考ポイントに組み込んだことも今回の選考を複雑化させている一因かもしれない。一部の関係者からは「今からでも遅くはない。国内選考会と世界ランキングを合体させたハイブリッド型の選考基準にすべき」という声もあがっている。

いつの時代でも誰もが納得できる五輪選考方式の「正解」は存在しない。五輪のメダルによって卓球人気が押し上げられてきた過去がある。「国内選考会と平等な選考方式」というプロセスで「五輪メダル獲得」という「回答」を導くことができるのだろうか。

 

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