今大会、張本美和の勢いは止まらない。五輪メダリストの平野美宇を破り、準決勝では難敵、カットの佐藤瞳を見事な攻守で下し、初優勝を狙う。迎え撃つのは全日本女王の早田ひな。
1ゲーム目は短いラリーの応酬で、張本が11−9で先取。
「入りは悪くなかった。1本目、1−1のラリーもすごかったけど、最後は掴みきれると思った」(早田)。
2ゲーム目以降は早田のラリーの強さが目立った。時には速いラリーの応酬で取り、ある時は打球点を巧みに変えたり、回転量に変化をつけるドライブを繰り出すなど、パワーだけでなく、巧さとプレーの奥深さを見せるような試合で、ゲームを連取した。
「最後、早田さんは1本多く返ってくる」と張本が振り返るように戦術とボールの変化に今大会、勢いを見せた張本も早田の卓球に脱帽した。
「常に調子が良いわけではない。これだけ試合が多くなると波はある。一回負けるだけで弱くなると評価される位置にもいるので、昔と違うプレッシャーを抱えながらやっている。それを乗り超えていくと違う強さがある。体調が悪くなっても、調子が悪くても勝てる強さを身につけたい」(早田)。
全日本選手権で三冠王の女王はタフな試合を続けながら、確実に進化している。パリ五輪の代表に近づいたとはいえ、まだ先は長い。5月20日から始まる世界選手権ダーバン大会で、その強さの真価を世界に問うことになる。
●女子決勝
早田ひな(日本生命) −9、9、5、3、−8、4 張本美和(木下グループ)
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