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【卓球】『LION CUP TOP32』男子優勝は張本智和。涙の復活V

●男子シングルス準決勝
張本智和(木下グループ) 11、8、12、9 横谷晟(愛知工業大)
及川瑞基(木下グループ) ー9、8、7、ー6、7、10 丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)
●3位決定戦
横谷晟 10、ー5、ー10、5、6、7 丹羽孝希
●決勝
張本智和 8、ー9、5、7、ー9、8 及川瑞基

2024年パリ五輪の選考ポイントが付与され、2022世界卓球団体戦および2022アジア競技大会の代表選考会も兼ねた『LION CUP TOP32』は大会2日目が行われ、男子シングルスは張本智和(木下グループ)が決勝で及川瑞基(木下グループ)に4ー2で勝利。涙の復活優勝を飾った。

準決勝で、破竹の快進撃を続ける横谷をストレートで破り、決勝に勝ち上がった張本。決勝の相手は、同じ木下グループ所属の及川。前々回の全日本選手権6回戦での敗戦が思い起こされるが、決勝での張本は得意のバックを生かすプレーに徹した。

張本は決勝の試合終了後、自らのプレーを振り返って「迷ってフォアで打とうというのが今回はなかった。今大会は左利きの選手のロングサービスに対しても全部バックハンドで打とうと思っていたし、打てる技術はある。本当に9割くらいは(レシーブを)バックでいっていたんじゃないかと思います」と語っている。フォア前にサービスを出されても、チキータと深く切れたバックツッツキからバック対バックのラリーに持ち込み、及川に強打されても冷静に対処した。フォアサイドに来たボールも、強引な強打だけでなくブロックでうまくつなぎ、前陣をキープできていた。

レシーブから最大の武器であるバックハンドを生かした張本

勝利の瞬間は感極まって……? 最近世界で流行中のウェアかぶり

優勝インタビューでは、「東京五輪が終わってから、自分にとって苦しい時期が長かった。ここ1、2年で一番良いプレーができた。やっと相手に向かっていくプレーができたし、この感覚は久しぶりだし、懐かしい自分のプレーだなと思います」と語った張本。「世界選手権の代表権を獲ることが目的でしたけど、そんなことより自分のプレーが戻ってきたのが本当にうれしいことで……」。その時、思わず涙があふれた。

最後にファンへのひと言を求められた張本。「自分が苦しい時期や調子が悪い時期でも変わらず応援してくださるファンの方々をぼくは忘れないです。本当に最大限の感謝をしたいですし、これからもぼくの長い卓球人生を一緒に応援していただけたらと思います。もっともっと頑張ります」。観客席からは温かな拍手が送られた。

優勝インタビューでの涙に、味わってきた苦しみがにじみ出ていた

準優勝の及川は、出場権を獲得していた2020年の世界卓球団体戦が中止となり、世界卓球出場への強い思いがプレーに現れていた。バックストレートへのカウンターのバックハンド、回り込んで鋭角に打ち抜くフォアドライブはさすがの切れ味だ。3位の横谷は昨年ドイツ・ブンデスリーガ2部での武者修行が実を結んだ。「ドイツで自分をもう一度鍛えなおそうと思って、つらい時期もあったけど、そこでひとヤマ乗り越えられた」(横谷)。覚醒の時を迎えた若武者のさらなる躍進に期待したい。

攻守の完成度はやはり抜群の及川瑞基。世界卓球への切符を手にした

ドイツでの武者修行を成長の糧にして、両ハンドのカミソリドライブを炸裂させた横谷

準決勝で及川と好ゲームを演じた丹羽孝希は4位

★男子順位決定戦の結果

●男子シングルス5〜8位決定戦
篠塚大登(愛工大名電高) 5、9、5、ー9、5 曽根翔(愛知工業大)
有延大夢(琉球アスティーダ) 7、ー3、3、8、ー8、10 上田仁(T.T彩たま)
●5ー6位決定戦
有延大夢 ー6、ー4、6、11、ー5、8、10 篠塚大登
●7−8位決定戦
曽根翔 キケン(肩の故障により) 上田仁

順位決定戦では有延の両ハンドパワードライブが炸裂し、上田と篠塚を連破して5位。1月の全日本選手権では不調だったが、改めてその実力を証明した。

5−6位決定戦で篠塚をゲームオールジュースで下した有延

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