●女子ダブルス決勝
佐藤瞳/橋本帆乃香 5、10、8 大藤沙月/横井咲桜
打っても打っても打ち抜けない。カットペアの真骨頂(しんこっちょう)とも言えるプレーを見せた佐藤/橋本ペアが、後輩の大藤/横井ペアをストレートで下してWTTファイナルズ初優勝!
これまで攻撃的なプレーで中国ペアを連破してきた佐藤/橋本だが、両ハンドから正確で威力あるカウンターを放つ大藤/横井に対しては攻撃の手数を減らし、粘るラリーでは徹底的に粘る。大藤と横井のパワードライブは威力があり、コースも厳しかったが、「カットであれだけ返されると強いとしか言いようがない」と試合後の大藤。横井もまた「どんどんカットが返ってくるので、すごく苦しかったです」と語った。
勝負のポイントは2ゲーム目。1ゲーム目を11−5で奪い、2ゲーム目も鉄壁の守備で10−3とゲームポイント。しかし、大藤/横井もあきらめずに追い上げ、10−7となったところで橋本/佐藤がタイムアウト。しかし、なんと7連続得点で大藤/横井が追いつく。
このゲームを大藤/横井が取っていれば、あるいは勝機が見えたかもしれない。しかし、橋本/佐藤はカットから攻撃に出て11−10と8回目のゲームポイントを握ると、佐藤のカットに対する大藤のフォアストップがネットミス。佐藤/橋本が2ゲームを連取する。
3ゲーム目はシーソーゲームとなったが、抜け出した佐藤/橋本が10−8でマッチポイントを握り、最後も大藤のバックツッツキがネット。先輩の意地を見せたカットペアが、圧巻の優勝を遂げた!
優勝後のミックスゾーンで、「思うように変化で点が取れず、ラリー回数が多くなったり、思わぬところで強打されたり、想定外の部分がたくさんあることをイメージして試合に臨んだ。その想定ができていたからこそ、最後まであわてずにプレーできた」と語った橋本。「カットでは勝てないとか、現代卓球では難しいと言われる時代ですけど、カットの方やこれからカットを始める方にも少しでも勇気を与えられたんじゃないかなと思います」(橋本)。
一方の佐藤は、「私たちはベテランの域に入っているけど、あきらめずに続けてきたことでこうやって結果が出てきている。カットに限らず、若い選手たちもあきらめずにやり続ければチャンスは来るんだよというのは伝えたいことかなと思います」とコメント。2019年世界卓球でダブルス3位となりながら、その後はコロナ禍やパリ五輪の国内選考などもあり、国際大会ではなかなか存在感を示せなかったが、強い強いカットペアだった。
女子ダブルス決勝を戦った佐藤/橋本と大藤/横井は、ミキハウスのチームメイトであると同時に、Tリーグではともに日本ペイントマレッツの主力選手。明日の始発の新幹線で、Tリーグの開催地である高松市へと向かう。ハードなスケジュールを乗り越え、四国へと凱旋だ。
ツイート