男子シングルスの表彰を終え、ミックスゾーンに姿を現した張本智和。その表情はむしろ冷静。ショックを感じられないほどの完敗だったと言えるかもしれない。以下は張本の主なコメント。
「悔しいと言っていいかわからないほど、すべてに相手が上でした。サービスを変えたり、レシーブを変えても勝てる相手ではないけれども、それすらも効かなかった。
相手(王楚欽)がすごかったのは、一番はぼくのチキータに対しての3球目攻撃です。あんなに強くバックストレートに打ってくる先取は見たこともない。今の自分では返せない。最後、YGサービスに変えて少し展開が良くなりましたが、他のサービスは効かなかった。今日は中国人ファンの声援もすごかったですね」(張本)
「昨日までに得た自信は、自信として持っておきたい」と張本は語る。特にマッチポイントを奪われながら勝利した林詩棟戦は、確かな成長の糧(かて)となったはずだ。
ルブラン兄弟やモーレゴード、ヨルジッチら欧州勢の台頭で、トップクラス同士の対戦は「どちらが勝ってもおかしくない」という、群雄割拠の時代を迎えている男子卓球界。張本も対アジアでも対ヨーロッパでも、「絶対に勝てない」という選手はいないが、ただひとり、王楚欽という壁だけが高く、高くそびえ立っている。
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