朝から降っていた雪が雨に変わった大阪。朝、会場の丸善インテックアリーナの入口には数人の選手の他は誰もおらず、「これが全日本の会場?」と感じるほど。そしてコートでは、ダブルスの3種目が行われないことで、会場の空気がずいぶん違う。例年なら早いラウンドから、混合ダブルスで伊藤美誠や森薗政崇などのトップ選手がメディアの注目を集め、男女ダブルスでもベテラン勢など個性豊かな顔ぶれが揃うのだが、今年は2日目までジュニア種目のみだ。
今日はジュニア男女で2〜4回戦が行われ、2回戦で外シード、3回戦でスーパーシードの選手が登場。優勝候補の選手たちを挙げてみよう。
●ジュニア男子
吉山僚一(愛工大名電高)
松島輝空(木下グループ)
篠塚大登(愛工大名電高)
吉山和希(愛工大名電中)
●ジュニア女子
大藤沙月(ミキハウスJSC)
赤江夏星(香ヶ丘リベルテ高)
小塩遥菜(JOCエリートアカデミー)
木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)
張本美和(木下グループ)
ジュニア男子では昨年決勝を争った吉山僚一と松島輝空に注目が集まるが、虎視眈々と優勝を狙うのが篠塚だ。今季からTリーグのT.T彩たまでもプレーする天才左腕は、その実力に比して全日本ジュニアでは思うような成績が残せていない。昨年はベスト8決定戦で吉山(僚)によもやのストレート負けを喫し、ベスト16。昨夏のインターハイがコロナ禍で中止となる中、最後のジュニアに懸ける思いは強いはずだ。すぐれた両ハンドのボールセンスゆえに、試合ではやや受けに回る場面が見られるが、勝負所で攻めに徹することができるか。
ジュニア女子は今年も、ジュニアの枠を越えた実力派が揃う。2月号で先輩の長﨑美柚とともに卓球王国の表紙を飾ってくれた木原美悠は、これが5回目のジュニア出場。一般シングルスで最年少の決勝進出の記録を持つが、ジュニアでは過去4大会で3位が2回、ベスト16が2回とまだ決勝の舞台に立っていない。前回優勝の大藤や準優勝の小塩など、強豪がひしめく中、得意の巻き込みサービスからの速攻で頂点を狙う。
下写真はジュニアで2試合連続のストレート勝ちを収めた篠原(貝塚第二中)。現在はジュニアアシスト卓球アカデミーで腕を磨き、Tリーグの日本生命レッドエルフにも選手として登録。よりスケールの大きな選手に成長しつつあるが、彼女のプレーヤーとしての魅力はメンタルにあると思う。ゲーム終盤のジュースの場面や、ラリーで劣勢に立たされた場面でも、決して怯(ひる)むことなく自分のプレーを貫くことができる。常に全力投球の清々しいプレーで、ジュニアでもひと波乱起こせるか。ちなみに名前は夢空と書いて「ゆら」ちゃんです。
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