男子シングルスも1回戦がスタート。14コートに登場したのは、昨年は全日本を欠場した上田仁(岡山リベッツ)。かつて全日本のシングルスで表彰台に上がった選手だが、今大会はノーシード、1回戦からの登場となった。「いつもスーパーシードだったけど、中学3年以来だった。5ゲームだとあっという間に終わってしまう」と試合後のコメント。相手はジュニアでベスト8に勝ち残っている、愛工大名電中の萩原啓至。フルゲームまでもつれる接戦をなんとか乗り切った。
「自分の中で楽しもうと試合前に考えたけど、内容的には楽しめなかった。とりあえず、今はホッとしています。緊張はもちろんあるけど、コロナ禍でいつもと違う。(会場での)練習も限られていたし、会場も寒いし、チェンジエンドもないので、頭と体が一致しなかった。相手もどんどん思い切ってやってきて、ぼくは同じ位置でやってしまった。最後は打たれても我慢の卓球をした」(上田)
上田の古巣でもある協和キリンが今大会を棄権したことを聞かれると、「正直非常に複雑です。予選をまず行っているし、コロナ禍の中で大会を行う前提でやっているので、難しい判断だと思うけど、私にとって卓球は仕事。こういう状況で出るのも私の職務だと思う。もちろん出ないという判断も素晴らしいと思うし、これには答えがない。選手が感染しないようにするのも選手の務めだと思う」(上田)。
5ゲームスマッチではスタートも重要。去年までと違い、選手たちを悩ませているのは、換気による会場の寒さだ。「卓球は手先の感覚が崩れると力加減が難しい。手袋をしていたけど、体はついてこなかったので苦しい内容でした。寒さによって用具が弾まなかったり、回転がかからなかったりするので、改めて自分で調整しなければと思いました」と語り、かつての全日本セミファイナリストは会見を終えた。
ツイート