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全日本卓球2021

38歳、準最年長の荻原典和が全日本に来る意味。「リアルを北海道に持ち帰りたい」

「ぼくは一生最年長出場者にはなれないですね。それこそ、60歳くらいまで頑張らないと……」と語ったのは荻原典和(北海道アスティーダ)だ。

現在、38歳。ひとつ上に三田村宗明(リトルキングス)と吉田海偉(東京アート)がいるため、「あのふたりより出続けるのは、無理ですよ」と笑う。2回戦では齋藤(千葉経済大附高)を老獪なテクニックで破り、3回戦で御内(シチズン時計)と激突し、ストレートで敗れた。「サービスが本当にわからない。強すぎた」と完敗。それでも「全日本は楽しい」と満足気な表情だった。

丁寧なカット打ちで御内に迫った荻原

荻原はJR北海道で12年プレーしたのち、卓球メーカーVICTASへ転職し、今月で丸4年となる。今は北海道営業所に勤務し、主な仕事は専門店や総合スポーツ店への営業と、学校訪問。札幌市外を担当しているので、遠い時は片道4時間かけて行くこともあるという。「遠いと正直利益にはならないこともあります。でも、できるだけ顔を合わせたほうがいいし、喜んでもらえます。特に総合スポーツ店は卓球の知識がないので、行って説明してカバーすることが重要です。

学校訪問は主に中学校の部活にお邪魔して、卓球指導をしてあげています。ついでにうちの用具を打ってもらったりして、VICTASを知ってもらえるきっかけを作っています」

仕事で忙しい中でも荻原が全日本を目指す理由がある。

「自分の親がやっている円山クラブで相手をしています。私の子どもも入っていて、一緒に練習してます。生徒は中学生がほとんどですね。その時にやはり最新のものを生で見て伝えていくことが大事だと思います。全日本は本当に勉強になります。それは映像からじゃわからない。生でみて、新しいものを吸収して、リアルを北海道に持ち帰りたい。そして、いつかは指導の道へ行きたいと考えています」

今年度は北海道予選が開催されなかったので、前年の成績の推薦者を選出。荻原は前年の全日本予選1位だったので、今大会に推薦されている。「これからどうなるかわからないけど、また来年も目指したいです。全日本は楽しいですから」

荻原のモチベーションは落ちていない。そしていつかは最年長出場者になれるかもしれない。

「いやー、強い。強すぎる」と御内を讃えた荻原

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