●人と接する以上、損得の「得」よりも人徳の「徳」を大切にしたいという思いはありますね
また、幸久さんが「だんだんお店をまかすようになっている」という長男の裕樹さんも、ショップ経営の一翼を担う。
裕樹さんは小学校から大学まで卓球を続け、「卓球とは違う世界も見たい」という思いで、大学卒業後は一般企業に就職。数年働いた後、27歳で会社を辞め、お店を手伝うようになり現在に至る。
永石スポーツでは用具販売の傍ら、「永卓ジュニア」というクラブを設立し、週に2回卓球教室を開いている。永卓ジュニアは小・中学生で約90名の生徒を抱える大所帯。「当初は、私の父が(卓球教室を)やっていたのですが、今は私が担当しています。他のクラブのように卓球場は持っていないので、週に数回、市の施設を予約して練習を行っています。1カ月前から予約しないと体育館を確保できないのでなかなか大変ですね。生徒の中には全国大会に出場する選手もいます。佐賀県のレベルは高いとは言えないですが、私も佐賀県に育てていただいたので、何らかの形で『恩返し』ができればという気持ちでやっています」と裕樹さんは話す。
メイン事業である用具販売について、裕樹さんは「商品を売ることは、商売をする上ではもちろん大切です。でも、実際に部活動で子どもたちに卓球を教えたり、子どもたちが卓球の楽しさを感じられることも大事だと思うんです。人と接する以上、損得の「得」よりも人徳の「徳」を大切にしたいという思いはありますね」と語る。
コロナが猛威をふるう前は、さまざまなメーカーと協力してトップ選手を講師として招き、講習会の開催なども多く請け負っていた永石スポーツ。コロナが落ち着きを取り戻しつつある今、「人に喜んでもらえること」を考えながら、永石スポーツは今後も、卓球に関連するさまざまな場面でサポートを続けていく。
【ショップPROFILE】
●永石スポーツ
住所:佐賀県佐賀市多布施一丁目6-27
電話:0952-29-3103
営業時間:火~金 10:00~20:00、土日・祝 10:00~19:00
定休日:毎週月曜日(祝日は営業)
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