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【WTT女子ファイナルズ】馬琳監督も本気になった。陳夢を追い詰めた早田ひな、ゲームオールで惜敗

●女子シングルス1回戦(ベスト8決定戦)
陳夢(中国) 5、−15、−7、8、6 早田ひな(日本)

12月15日夜に行われた女子シングルス1回戦の残り4試合。日本勢の先陣を切って登場したのは早田ひなだ。対戦相手は過去6戦6敗、東京2020オリンピック金メダリストの陳夢。1ゲーム目から五輪女王は強かった。スロースターターと言われる陳夢だが、出足から気合十分、早田の息もつかせぬ連続攻撃を懐の深い堅守で跳ね返し、11ー5で先取する。

1ゲーム目のラブオールから、早田の強打を何本でも跳ね返した陳夢

しかし、2ゲーム目に入っても早田は攻撃の手を緩めず、少しずつ打球の精度を上げていく。陳夢に9ー10とゲームポイントを握られながら10ー10に追いつき、11ー11で早田がタイムアウト、15ー14で陳夢がタイムアウト。1ー1に追いつきたい早田と、2ー0と突き放したい陳夢。両者とも「勝負」と見たこのゲームを、早田が3点連取で17ー15で奪取。ジュースの連続での早田の勝負強さには恐れ入る。

陳夢に後陣に下げられても食らいつき、反撃のチャンスをうかがった早田

さらに3ゲーム目、早田のバックのカウンターが次々に決まり、6ー6から10ー6と突き放して11ー7で奪取。落ち着いて陳夢の攻撃をさばく早田に対し、陳夢は4ゲーム目に入る直前でウェアを着替えることを申し出てコートを離れる。少しでも流れを変えたいという意図が見えた。

4ゲーム目は競り合いながらも11ー8で陳夢。最終ゲームは出足は3ー3でのスタートだったが、ロングサービスをうまく使ってペースを変えた陳夢が7ー3と突き放し、8ー6からの3点連取で勝負を決めた。

敗れた早田だが、過去の対戦で最も陳夢に肉薄した一戦だった

試合後のミックスゾーンで開口一番、「今までも陳夢選手とは競った試合があったけれど、今日も悔しい負だった。未来を感じる試合だった」と語った早田。最後は陳夢が意地を見せたとはいえ、ベンチの馬琳監督は1本ごとに大きな声を出し、中国ベンチにも余裕はなかった。中国を最後の最後まで追い詰めた一戦だった。

試合後のミックスゾーンでの早田。悔しい敗戦にも確かな手応え

「私は回転をかけるのが得意だけど、今回は自分の体を使ってスピードを出すことを追求し、打球点を変えている。体を使ってスピードを出そうとしています。自分が練習してきたことを出せた部分はあるけれど、今回は1、2本の差ではなく、ラリーの中の1球の迷いが勝敗を分けた。できるはずなのにできなかった悔しさを感じています」(早田)

中国女子チームの馬琳監督(08年北京五輪金メダリスト)。全力でベンチから応援していた

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