昨日の男子シングルス5回戦で、昨年12月のJTTLファイナル4で1−3で敗れた定松(日鉄住金物流)を4−0で破った吉田海偉(東京アート)。
「大会2週間前に左の背中を痛めて、痛いから5日前まで練習ができなかった。最後の最後で良くなって、あとはやるしかなかった。最低の目標はランク入りでした。達成したので安心しました。
(6回戦で敗れた)丹羽はやりづらい。彼は気合が入っていて珍しく声を出していた。全日本はほかの試合とは違います。ベンチには奥さんが入っているし、違う試合です」(吉田)
「これが引退試合じゃない。悔しいけどね」と吉田は言う。
「目標は50歳までランクに入り続けること、頑張ります。サッカーのカズ、野球のイチローみたいにね。目標があったほうが楽しい」
帰り道、会場の最寄り駅である朝潮橋の改札に、家族に囲まれた吉田の姿があった。鍛えられたアスリートの体躯は、とても39歳とは思えない。愛娘の紅偉ちゃんにとっても、自慢のカッコいいパパだろう。「この年になると、トレーニングもフットワークも本当にキツい。普通はできないですよ。でも、やるしかない」。かつて取材した時の彼の言葉を思い出す。自分より若い、シェーク両ハンドの選手たちが次々に現役を引退していく中、かつて天皇杯を胸に抱いた片面のペンホルダードライブ型は、今もコートに立ち続ける。
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