伊藤美誠(スターツ)が久しぶりの国際大会に登場。WTTチャンピオンズのマカオ大会の初戦で、サマラ(ルーマニア)をストレートで下した。
試合後に、卓球王国からWTTにお願いしていた質問に伊藤が答えてくれた。
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●ーパリ五輪が終わってどう感じてますか? そして、4年後のロスに向けては気持ちは?
「パリ五輪は日本の選考会がいつもと違っていて、国内の大会(選考会)がたくさんあって、世界ランキングではなくて、日本のランキングで選ぶことになり、今までで初めてのことでした。リオも東京も世界ランキングで選んでいましたから。
まだロス五輪での選び方は発表されていませんが、どうなるかわからない。私は海外の選手に勝てる可能性のある選手を選ぶべきだと思います。そのほうが見ていても楽しいと思います。今回のパリ五輪は、女子は1位中国、2位日本と順当だったけど、私たち(水谷隼との混合ダブルス)が東京で優勝したように、何が起こるかわからないというほうが楽しさがあると思います」
●ー次の4年間というのは「厳しい!」と感じるのか、「今はやる気満々!」。どちらでしょうか?
「(笑)。今は目の前の試合に集中していますが、4年間やるかどうかわからない。それも自分が決めます。絶対やらなきゃいけないというのではなくて、自分が決めていきたいと思っています」
●ー7月のバンコク(WTTスターコンテンダー)では優勝しました。WTTチャンピオンズマカオはどうでしょう?
「ひとつでも多く勝って、勝ちグセをつけたいですね。次の試合を勝ち切って、中国選手と対戦したい。大きなものを得て日本に持って帰りたいなと思います」
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東京五輪では金・銀・銅の3個のメダルを獲得したものの、パリ五輪は代表からはもれた伊藤美誠は現在23歳。まだまだ年齢的に若いが、物心がついた時からラケットを握っていたので、卓球年齢は20歳を超す。だからこそ簡単には「ロス五輪を目指します」とは言えないだろう。
6月23日の日本卓球協会の評議委員会のあとに、囲み取材で、宮﨑義仁専務理事はロス五輪に向けての選考方法に言及していた。「オリンピックが終わってから男女両監督が決まり、その方針のもと、ロス五輪に向けて新しい選考基準が作られていくだろう。国際大会が数多く(開催され)進んでいるので、これからは世界ランキングをもとにしたものになるだろと考えていますが、それ(選考基準)は新監督が決まってからの話になります」(宮﨑専務理事)。
パリ五輪の選考基準は途中でWTTが多く開催されていても「世界ランキングによる決定」という方向に後戻りはできなかった。オリンピック後の新監督はまだ決まっていない。強化本部には、新監督の発表だけでなく、パリ五輪の総括や五輪代表選考会の総括も説明してほしいと関係者は希望している。
●WTTチャンピオンズ・マカオ大会 女子シングルス1回戦
伊藤美誠(日本) 8、11、5 サマラ(ルーマニア)
写真提供:WTT
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