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熟練のラリー戦、全日本マスターズ。65歳以上の部で優勝者決まる

12月2日から、岡山県岡山市のジップアリーナ(岡山県総合グラウンド体育館)で開催中の全日本選手権マスターズの部。男女ともサーティ(30歳以上)からハイエイティ(85歳以上)のそれぞれ9種目で優勝が争われるが、大会2日目にまずハイシックスティ(65歳以上)より上の年代でチャンピオンが決定した。

会場の岡山・ジップアリーナ。メインアリーナには実に48台を設置。

 

【ハイシックスティ(65歳以上)】
●男子
優勝:坂本憲一(COLOR・神奈川) 準優勝:松下浩(明誠クラブ・愛知)
3位:小松繁(板宿TTC・兵庫)、具志堅一(双葉苦楽部・東京)
○女子
優勝:坂本久美(COLOR・神奈川) 準優勝:鶴田昌枝(COLOR・神奈川)
3位:船ヶ山昌子(サクセス・愛知)、片岡年子(みらくる・大阪)
・ハイシックスティ男子は鉄壁のショートと安定したフォアスマッシュを見せた坂本が、今年も揺るぎない強さを披露し、サーティからの通算優勝回数を「18」に伸ばした。抜群の勝負強さで接戦の連続を制した妻・久美とともに、うれしい夫婦揃っての優勝を果たした。男子準優勝の松下は中・後陣での猛烈な粘りを見せたが、坂本は動じず。

鉄壁のショートとプッシュで、対戦相手の攻撃をシャットアウトした坂本憲一

夫・憲一とともにハイシックスティ優勝の坂本久美。抜群の勝負強さを見せた

 

【ローセブンティ(70歳以上)】
●男子
優勝:勝英雄(清友クラブ奈良・奈良) 準優勝:広浜泰久(神馬クラブ・東京)
3位:吉田雄三(ヨシダスポーツ・高知)、山崎正樹(友卓会・東京)
○女子
優勝;島田美鈴(淑友クラブ・東京) 準優勝:渡邊みち子(兵庫卓研・兵庫)
3位:横山祐見子(ピンポン館・高知)、山口晴美(クローバー・愛知)
・カットキラーのペン表攻守型、勝が準決勝で吉田、決勝で広浜というカット勢を連破して優勝。カットからキレのあるフォアドライブで反撃する広浜は、中盤まで勝と互角の接戦を演じたが、惜しくも初優勝には届かなかった。女子は実力者ながら「ずっと3位ばかりだった」とタイトルに縁のなかった島田が、決勝で渡邊を逆転で下してうれしい初優勝を飾った・

準決勝・決勝とカット型との対戦を制し、優勝した勝英雄

最後まで攻めの姿勢を貫き、うれしい初優勝を飾った島田美鈴

【ハイセブンティ(75歳以上)】
●男子
優勝:仲村渠功(サザンクロス・東京) 準優勝:細谷勉(国母JTC・山梨)
3位:中澤信介(平沼クラブ・東京)、原田正(博多ベテラン会・福岡)
○女子
優勝:野中よしみ(ピュアメイト・福岡) 準優勝:宮下隆子(大宮スカット・埼玉)
3位:宮内富士子(彩玉クラブ・埼玉)、太田裕子(冠雲・東京)
・男子は元世界代表の仲村渠が、圧巻の技術力で優勝。バックの堅い守りと、フォア面の表ソフトから繰り出す鋭いスマッシュで、決勝では昨年度大会の準々決勝で「今までの人生で一番悔しい」逆転負けを喫した細谷にリベンジを果たした。混戦模様の女子は、接戦の連続を制した野中がこちらも初優勝・

断トツの強さを見せた仲村渠功。元世界代表の技術力は健在だった

初優勝の秘密は「負けない心」。接戦の連続を制した野中よしみ

【ローエイティ(80歳以上)】
●男子
優勝:仲井照凱(代々木クラブ・東京) 準優勝:金沢保久(ウイング・埼玉)
3位:竹内俊夫(舞高クラブ・京都)、田中鍛(西東京クラブ・東京)
○女子
優勝:大掛まさ美(イーグルス・東京) 準優勝:江口貴勲子(こだまクラブ・愛知)
3位:長澤征代(武蔵野クラブ・東京)、池西かつ(夢華クラブ・埼玉)
・カットからの鋭い攻撃が次々に決まった仲井が優勝。専修大を卒業後、長いブランクを経て50歳で卓球を再開し、それから苦節30年でついに頂点を極めた。女子は「マスターズに向けてこの1年、練習をもう一度基礎からやってきた」という大掛が、闘志みなぎるプレーで8年ぶりの優勝。

カット型ながら、抜群の攻撃力が光った仲井照凱がついに初優勝

みなぎる闘志で、大掛まさ美が8年ぶりの頂点に立つ

【ハイエイティ(85歳以上)】
●男子
優勝:池内祥治(SEIZANクラブ・熊本) 準優勝:増田和雄(新発田クラブ・新潟)
3位:大滝泰(HAZAWA・神奈川)、中井政雄(ブルーグリーン・東京)
○女子
優勝:小林友枝(翡翠・大阪) 準優勝:安良岡貴子(大宮カルミア・埼玉)
3位:黒沼茂子(浜卓会・神奈川)、五十嵐澄子(浜卓会・神奈川)
・ハイエイティとは思えないフォアの「カミソリドライブ」を見せるサウスポー、池内がハイエイティで2年連続優勝。威力ある両ハンドで、決勝で池内をゲームオールまで追い詰めた増田の健闘も光った。女子は決勝で逆転勝利を収めた小林が優勝。ベンチには残念ながら肩の故障でローエイティを棄権した「マスターズの女王」池田章子が入り、初優勝をサポートした。

左腕から放つカミソリドライブはまだまだ健在。2年連続Vの池内祥治

これまで全国大会ではほとんど実績のない小林友枝が初V。決勝は鮮やかな逆転勝利

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