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欧州リポート

ヨーロッパ選手権団体戦はグループリーグが終了。男子はポルトガル、フランスが敗れる波乱

 9月28日よりルーマニア・クルジュ=ナポカでスタートしたヨーロッパ選手権団体戦。通常であれば個人戦と団体戦を隔年で開催するヨーロッパ選手権だが、新型コロナウイルスの影響で昨年の個人戦が延期となり、今年の6月に開催。そのため、個人戦と団体戦を同一年で別々に行うイレギュラーな形での開催となった。
 五輪後ということもあってか、東京五輪男子団体戦で銀メダルのドイツはボルとオフチャロフというツインエースが欠場。フランスもゴーズィ、スウェーデンもKカールソンがエントリーを外れている。女子でも優勝候補だったドイツはハン・インが欠場となり、出場予定だったP.ゾルヤも大会直前に副鼻腔炎の影響で出場を見送ることとなった。
 試合のほうは昨日でグループリーグの全試合が終了し、準々決勝に進む男女8チームずつが決定。来年の世界選手権団体戦から出場国数が制限され、大陸予選などが行われる予定となっているが、今大会で準々決勝に進んだ8チームには世界選手権団体戦の出場資格が与えられる。グループリーグの結果、準々決勝の対戦カードは下記のとおり。(写真提供:ETTU)
【男子】
グループA:①ドイツ(2勝0敗)②ウクライナ(1勝1敗)③ベラルーシ(0勝2敗)
グループB:①スウェーデン(2勝0敗)②ベルギー(1勝1敗)③ギリシャ(0勝2敗)
グループC:①イングランド(2勝0敗)②スロバキア(1勝1敗)③セルビア(0勝2敗)
グリープD:①オーストリア(2勝0敗)②ポーランド(1勝1敗)③スペイン(0勝2敗)
グループE:①デンマーク(2勝0敗)②ポルトガル(1勝1敗)③トルコ(0勝2敗)
グループF:①ロシア(2勝0敗)②フランス(1勝1敗)③オランダ(0勝2敗)
グループG:①チェコ(3勝0敗)②クロアチア(2勝1敗)③イタリア(1勝2敗)④ハンガリー(0勝3敗)
グループH:①ルーマニア(3勝0敗)②スロベニア(2勝1敗)③フィンランド(1勝2敗)④ルクセンブルク(0勝3敗)
〈準々決勝〉
オーストリアvs.ロシア
ルーマニアvs.スウェーデン
デンマークvs.イングランド
ドイツvs.チェコ
 ドイツ、スウェーデン、イングランドといった上位候補が準々決勝に勝ち上がる中、デンマークがポルトガル、ロシアがフランスを破る番狂わせ。ポルトガルはフレイタス、アポロニア、モンテイロとベストメンバーで挑んだが、デンマークが1番から3番まですべてフルゲームで勝利。グルーツ、リンド、ラスムッセンとサウスポー3人の布陣のデンマークは2019年に行われたヨーロッパ競技大会でも快進撃を見せてベスト4に進むなど、ビッグゲームでの爆発力は侮れない。

フレイタスを破ったリンド

 ロシアもエースのゴーズィを欠くフランスに3-0で勝利。1番でグレブネフがカッサンを下すと、2番では19歳のシドレンコがルベッソンをフルゲームで撃破して勝利に王手。3番でもスカチコフがフルゲームで勝利を収めてグループ1位を決めた。地元のルーマニアはヨルジッチに2点を奪われながらもスロベニアを3-2で破り、ベスト8に勝ち上がっている。

ロシアの勝利を決めたスカチコフ

グループ突破を決めた開催国のルーマニアはスウェーデンに挑む

 

【女子】
グループA:①ドイツ(2勝0敗)②スロバキア(1勝1敗)③スペイン(0勝2敗)
グループB:①ルーマニア(2勝0敗)②イタリア(1勝1敗)③ベルギー(0勝2敗)
グループC:①オーストリア(2勝0敗)②ベラルーシ(1勝1敗)③セルビア(0勝2敗)
グリープD:①ウクライナ(2勝0敗)②チェコ(1勝1敗)③スロベニア(0勝2敗)
グループE:①ポルトガル(2勝0敗)②ハンガリー(1勝1敗)③クロアチア(0勝2敗)
グループF:①ポーランド(2勝0敗)②スウェーデン(1勝1敗)③イングランド(0勝2敗)
グループG:①ルクセンブルク(2勝0敗)②ロシア(1勝1敗)③ギリシャ(0勝2敗)
グループH:①フランス(3勝0敗)②オランダ(1勝1敗)③フィンランド(0勝2敗)
〈準々決勝〉
ドイツvs.ポーランド
オーストリアvs.フランス
ポルトガルvs.ウクライナ
ルクセンブルクvs.ルーマニア
 地元開催で3連覇を狙うルーマニアはイタリア戦で1点を失うも2連勝で準々決勝へ。P.ゾルヤ、ハン・インが欠場となったドイツだが、先日のヨーロッパトップ16を制したミッテルハムが奮闘し、グループ突破を決めた。ルクセンブルクは58歳の大ベテラン・倪夏蓮が2勝をあげる活躍でロシアに勝利し、ベスト8進出を決めている。

欧州女王のルーマニアは地元開催で3連覇を狙う

大活躍の倪夏蓮を祝福

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