ETTU(ヨーロッパ卓球連合)は3月3日に理事会を開き、ロシアのクラブの2021-2022シーズンのヨーロッパチャンピオンズリーグ(ECL)への出場を許可しないことを決定。これは3月1日にITTF(国際卓球連盟)がロシアによるウクライナへの侵攻を受け、IOC(国際オリンピック委員会)の勧告に従って「ロシアとベラルーシの選手と役員のITTF主催イベントへの参加を認めない」と決定したことに沿ったもの。
2021-2022シーズンの男子ヨーロッパチャンピオンズリーグは準決勝第1戦までが終了し、ロシアからはオレンブルクとUMMCが準決勝に進出。両チームは準決勝で対戦していたが、ETTUの決定により、大会を去ることとなった。
ETTUがこの決定を下した3月3日には準決勝もう1試合、ボルシア・デュッセルドルフとザールブリュッケンのドイツ勢対決第2戦が行われ、ボルシア・デュッセルドルフが第1戦に続いて勝利。これにより、ボルシア・デュッセルドルフが決勝進出となったが、ロシアの2クラブが失格となったため、決勝を戦うことなくチャンピオンズリーグ優勝が決定した。
思わぬ形で連覇が決まったボルシア・デュッセルドルフだが、優勝決定がロシアのウクライナ侵攻に起因するだけに心境は複雑だ。ハイスター監督(オランダ)は「今、世界で起こっていることは非常に悲しいこと。それだけに優勝は奇妙な気持ち」とコメント。エースのボル(ドイツ)も「私たちのパフォーマンスには満足しているけど、喜びはもう落ち着いた」と語った。
「今はもっと重要なことがある。私たちからそう遠くない場所で、多くの人が苦しんでいる。今回の優勝はとても奇妙な勝利だった」(ボル)
失格となったオレンブルクはオフチャロフ(ドイツ)、林昀儒(チャイニーズタイペイ)、カルデラノ(ブラジル)、フレイタス(ポルトガル)らを擁する豪華布陣で、決勝に進めばボルシア・デュッセルドルフと好ゲームが期待できた。ドイツ国籍のオフチャロフだが出身はウクライナ・キエフで、ロシアのクラブでプレーしているだけに、現在の国際情勢は心が重いだろう。
【2021-2022 ヨーロッパチャンピオンズリーグ】
●準決勝第2戦 ※第5ゲームは6点先取
〈ボルシア・デュッセルドルフ(ドイツ) 3-1 ザールブリュッケン(ドイツ)〉
○チウ・ダン 12、10、-7、2 ヨルジッチ
ボル -6、-8、9、11、2-6 フランチスカ○
○シェルベリ 6、5、-7、11 ポランスキー
○チウ・ダン -10、9、10、10 フランチスカ
→2戦合計の結果、ボルシア・デュッセルドルフが決勝進出。ロシアの2クラブが失格となったため、決勝は行われずボルシア・デュッセルドルフが2シーズン連続13度目のECL優勝(ヨーロッパクラブ・オブ・チャンピオンズ時代を含む)
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