卓球王国 2024年11月21日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
大会報道

優勝候補の王楚欽がまたも2回戦敗退。伏兵・リンドが巧みな技と戦術で中国の牙城を崩す

●男子シングルス2回戦

リンド(デンマーク) 11、‐9、6、7 王楚欽(中国)

 

国慶節で祝日のため満員の会場は熱気が高まっていた。各試合で中国選手が勝ち上がる中、本日の男子シングルスハイライトとなる王楚欽(中国)の登場に会場は割れんばかりの大歓声。

誰もが王楚欽の勝利を疑わない中で行われたリンド(デンマーク)との2回戦。しかし、リンドは最初のサービスからしゃがみ込み(実際にはしゃがまずに出す)サービスのようなフォームのサービスで奇襲をかけると、レシーブではカット型が見せるような大きいスイングのツッツキでガツンと切って王楚欽のドライブをネットにかけさせるなど、トリッキーなプレーと一撃の両ハンドドライブで試合を征服する。

ループドライブをするとカウンターをくらうので、リンドはスピードドライブでリスキーに攻めた

序盤はやや様子を見ていた感があった王楚欽。しかし、終始ペースをつかむことができずに敗れた

「通常の場合、私は世界トップ10の選手のほとんどに対してはオーソドックスなプレーで戦っているが、王楚欽にはそうした通常のプレーでは破壊されてしまう。私よりも彼のほうが優れているからだ。

だから、今日の試合は奇妙(トリッキー)なプレーで挑むことにした。回転を目一杯かけたツッツキレシーブやサービスに強く回転をかけて彼にレシーブでミスをさせたりした」と試合後のリンド。

リンド勝利の瞬間、会場は静まり返った

ベンチに入ったチームメイトのグルーツと喜びを分かち合う

パリ五輪の男子シングルスではラケットが破損されてスペアラケットで臨んだが、2回戦でモーレゴード(スウェーデン)に敗れた王楚欽。今大会の本命が早々と敗れたことで、男子シングルスの優勝争いがどのように進んでいくのか。明日からの戦いに目が離せない。

関連する記事