
<卓球王国2025年3月号より>
伝統的な中国製の粘着性裏ソフトとは別に、日本やドイツでは、テンション系のトップシートにわずかな粘着性を加えたラバーが登場し、近年、浸透してきている。
その経緯については今号のグッズ特集(p137〜)で触れているが、ここで紹介するのは、中国製ラバーの進化系であるヤサカ『翔龍(しょうりゅう)Ⅱ』だ。中国製粘着性ラバーをベースに、テンションを加えて登場した『翔龍』と、それをマイルドな使用感にした『輝龍(きりゅう)』。これらの新バージョンとして昨春『翔龍Ⅱ』と『輝龍Ⅱ』の2枚が登場した。
両者のトップシートは同一だが、スポンジは硬度だけでなくゴム質自体も別設計。初代と同様、『翔龍Ⅱ』は中国ラバーらしい使用感、『輝龍Ⅱ』はややテンション寄りの使用感と、それぞれ味付けを変えている。現在、英田理志(タカシマアカデミー)がバック面に『輝龍Ⅱ』を、加山裕(日本大卒・個人)が両面に『翔龍Ⅱ』を使用中だ。
『翔龍Ⅱ』はやや肉厚のトップシート構造とともに、しっかりとした粘着性を持たせることで、「中国ラバーらしさ」を強調している。その一方で、テンション効果によって弾みも向上させた。粘着ラバーの特徴である早い打球点でのドライブ、カウンター、台上技術のやりやすさを求めるユーザーにぴったりだ。
そして、このラバーのもうひとつのウリはコストパフォーマンスの高さ。グッズ特集の試打企画では、「上級者でも使える性能で、コスパが高い」と試打選手たちが評価した。
ハイエンドのテンション系と比べるとスピード不足を感じるが、中国ラバーの良さが最大限に引き出され、なおかつリーズナブルな価格で手に入る『翔龍Ⅱ』。
粘着、あるいは微粘着ラバーを使いたいなら、必ず選択肢に入る一枚と言えるだろう。
トップシートは『翔龍』より粒がわずかに小さくなり、シートが肉厚に設計された
●テンション系粘着性裏ソフトラバー
●¥5,500(税込)
●厚さ:特厚・厚・中 ●スポンジ硬度:47〜52度
●㈱ヤサカ 03・3634・5158
https://www.yasakajp.com/
photo >> Yoshinori Eto
text >> Hiromoto Takabe
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