<卓球王国2023年3月号より>
ラケットを構成する合板の中芯の横に特殊素材を挟み込むことで、木材の特徴を活かしながらも威力をアップさせる「ダイナコア」という技法を採用した『ファイヤーフォール』シリーズ。
その中で、宇宙服にも採用されたスーパー繊維とカーボンを組み合わせた「Vカーボン」を搭載したのが『ファイヤーフォールVC』だ。
「超攻撃力のVC」というVICTASの謳い文句を見ると、暴れ馬で扱いにくいラケットを想像する人もいるだろう。しかし実際に打ってみると、少し独特な打球感に心地良さを覚えた。
強度の高い「Vカーボン」を使用しているだけあって、インナーながら弾みは抜群。そのため、気持ち良くボールが飛んでいく。それでいて直線的に飛びすぎることなく、適度な弧線を描いてくれるため、相手コートに突き刺さるようなドライブが打てる。大きな弧線を描くわけではないので、後陣から打球する際にはややテクニックが必要だが、前~中陣で打球する分には文句なしの性能だ。
また、昨年12月に行われた世界ユース選手権で2冠を達成した木原美悠選手もこのラケットを使用しており、表ソフトラバーを使用する選手にも絶大な人気を誇っている。
「このラケットは反発が強いので、相手のボールを利用するプレーやフラット系の打法を使う選手に向いていると思います。
元々は両面に裏ソフトラバーを貼ることを想定して開発しましたが、弾きが良いため、表ソフトラバーとも相性の良いラケットとなっています」(VICTAS研究開発部)
ちなみにこの『ファイヤーフォールVC』、卓球ショップの店員さんと用具の話をすると高確率で「最近良く売れるんですよ」と話題に出てくる。木原選手が使用しているということもあるが、ドライブのみならずスマッシュやミート打ちもできる「マルチな性能」が多くの選手に受ける理由だろう。
正直、扱いやすいインナーラケットは他にもある。ただ『ファイヤーフォールVC』のように、扱いやすいうえに弾きが良く、独自性が光るラケットはそう多くはない。
この独特な打球感の良さは実際に打ってみないとわからない。自分のプレーにアクセントが欲しいと思っている人や、プレーに力強さをプラスしたいと思っている人にはぜひとも使ってほしい一本だ。
VICTAS
ファイヤーフォールVC
●攻撃用シェークラケット
●¥13,200(税込) ●木材5枚+Vカーボン2枚
●グリップ:FL・ST・中国式ペン ●板厚:6.4㎜
㈱VICTAS 03・6219・1700
photo >> Yoshinori Eto
text >> Masataka Nakano
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