<卓球王国2023年4月号より>
XIOMの裏ソフトラバーの新たな顔となりつつある『ジキル&ハイド』シリーズ。その中でも、シリーズ最上位モデルとして昨年(2022年)12月に発売されたのが『ジキル&ハイド Z52.5』(以下:『Z52.5』)だ。
「世界代表クラスラバーの一般普及モデル」として発売された『Z52.5』は、その謳い文句のとおり性能はトップクラス。XIOMの日本販売元である卓永の鶴高寿さんも「『Z52.5』はどのラバーにも似ていない。新時代に向けてのラバーです」と力強く語る。
「『Z52.5』の特徴は回転性能の高さ。シートが強く、回転性能に関しては他のラバーと全然違います。相手コートにバウンドしてからの伸びがすごいので、相手はうまくブロックができない。とにかく回転をかけて攻めていくスタイルに向いていると思います」(鶴さん)
実際に打ってみると、今までの固定観念を覆すような新感覚の打球感に驚いた。プロ選手が使用するようなラバーは硬くて飛距離が出るため、回転をかける前に飛んでしまい、筆者のような中級者では少々扱い切れないイメージを持っていた。
しかし、『Z52.5』は打球時にしっかりとボールをつかんでくれるため、安定して回転量のあるボールを打つことができる。硬いのに不思議と安定する、今まで味わったことのない感覚がこのラバーにはあった。
どのラバーに対しても言えることだが、万全の体勢で打てている時には良いボールが行く。しかし、試合で大切になってくるのは苦しい体勢でどれだけ質の高いボールが打てるかどうか。その点では、『Z52.5』はミドル処理や打球点が落ちた状態でもシートがしっかりとボールをグリップするため、「質の高い繋ぎのボール」を打つことができる。その上、今流行りの「硬度表記よりも軟らかく感じるラバー」ではなく、しっかりと52.5度のスポンジの硬さを感じられるため、相手の球威に押し負けることなく打ち合うことができるのだ。
正直、性能面に関しては欠点が見つからない。あえて挙げるとしたらその価格だろう。定価は税込で1万円を超え、店頭での実売価格も8千円を超える場合がほとんど。簡単には手が出しにくい価格だが、『Z52.5』はそれに見合った性能を秘めている。
今までにないまったく新しい性能を持つ『Z52.5』。このラバーの良さは言葉だけでは伝え切れない。
とにかく、一度使ってみてほしい。使ってみればきっと感じるだろう。このラバーは「勝てるラバー」だということを。
●スピン系テンションラバー
●¥10,780(税込)
●厚さ:MAX ●カラー:レッド・ブラック
●㈱卓永(XIOM日本販売元) 03・6206・0995
photo >> Yoshinori Eto
text >> Masataka Nakano
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