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【PICK UP】ラリーエース/木が木を生かす。『アークキャスター』

<卓球王国2023年4月号より>

 

木が木を生かす。

CNFと楓が描く弧線は、勝利への道標

 

 ここ数年、卓球業界を賑わせている新たな特殊素材「CNF」。

CNF」とは「セルロースナノファイバー」の略称であり、木材を主な原料とした植物由来の繊維素材を指す。

 「植物由来の素材」と聞くと、少し頼りなさそうに感じるが、強度はなんと鋼鉄の5倍。それでいて重量は鋼鉄の5分の1と軽い。

 強度はあっても薄く、しなやかな素材のため、CNFを搭載したラケットには木材合板のような球持ちと特殊素材らしい高い反発力が生まれる。つまり、「つかんで弾む」という現代の流行に合致した素材なのである。

 また、木材に由来する素材であるため、木材との親和性が高いのもCNFの魅力。木材本来の良さを損ねることなくラケットに馴染み、自らの性能を発揮する。

 この「木が木を生かす」というCNFの性能に、木材に並々ならぬ情熱を注ぐ匠のブランド「ラリーエース」も着目。この3月(2023年)にCNF搭載第1号モデル『アークキャスター』をリリースすることとなった。

 『アークキャスター』は上板に楓(メイプル)を使用し、そのすぐ下にCNFを配置したアウター特殊素材モデル。直訳すると「弧線の投擲(とうてき)者」というネーミングどおり、一番のストロングポイントは「弧線」にある。

 楓自体が硬質で反発力に優れる木材だが、CNFと組み合わせることで、弾みを向上させながらも打球感は硬くなりすぎず、絶妙なボールのつかみを実現。楓とCNFの良さが共存する、薄めのブレードから放たれたボールは弧線を描いて相手コートへ突き刺さる。木材合板派と特殊素材派、どちらにも受け入れられるだけのポテンシャルは、ラリーエースが謳う「新時代のラケット」のフレーズにふさわしい。

 最新の特殊素材に着目するばかりではなく、長年培った技術で伝統の木材との融合を叶えた『アークキャスター』。「木を見て森も見る」とでも形容したくなる、ラリーエースの仕事ぶりと心意気を感じさせる逸品だ。

 

板厚は5.7㎜と薄めで、しなりを持たせた設計。CNFは極めて薄い

ラリーエース

アークキャスター

攻撃用ラケット ●25,300(税込)

木材5枚+CNF2枚 

グリップ:FLSTCP(中国式ペン)

重量:90g± 板厚:5.7

センターフィールド㈱

 https://www.center-field.co.jp/

 製品に関するお問い合わせは HPの専用フォームへ

 

photo >> Center Field

text >> Takazumi Asano