<卓球王国2023年5月号より>
多くの選手に使用され、長きにわたって愛され続けるヤサカの『ラクザ』シリーズ。
スピン重視の『7』が2010年に発売されたのを皮切りに、12年にはスピード重視の『9』、ボールの素材がセルロイドからプラスチックに変わった14年には、よりグリップ力を高めた『X』が登場。さらに粘着テンションが注目され始めた20年には、シリーズ初となる粘着性ラバー『Z』が発売された。
時代の流れとともに進化を続けてきた『ラクザ』シリーズだが、非粘着性タイプの発売は15年3月の『Xソフト』が最後。『ラクザ』シリーズの愛用者からは、「非粘着性の新しい『ラクザ』は出ないのか」という声も上がっていた。その声を聞きつけたかのように、待望の新作『ラクザXX(ダブルエックス/以下:XX)』が23年4月に発売される。
『XX』の謳(うた)い文句は「シリーズ最高峰の攻撃力」。ヤサカの矢尾板駿社長も「『XX』はスピン、スピードともに高いレベルを実現しました」と語る。
「『XX』は新しく開発された反発力の高いスポンジを使い、従来の『ラクザ』シリーズよりもテンションを強めにかけているので、スピンとスピードが向上しています。台から離れてプレーする選手や、より威力を求める選手におすすめです」(矢尾板社長)
実際にラバーを見てみると、まず驚かされるのはそのテンションのかかり具合。トップシートの粒は目視(もくし)できるほどに浮き出し、ラバー全体が少し反(そ)り上がっている。シートのグリップ力も非常に強く、ボールが落ちる心配はなさそうだ。
次に注目したのはスポンジの気泡。『XX』のスポンジ硬度は『X』よりも2度硬く設計されている。普通ならば、スポンジが硬くなるほど扱いにくくなってしまうが、『XX』のスポンジは気泡が大きいため、打球時にボールがしっかりと食い込んでくれる。「ボールをつかむ」という感覚を感じられるのだ。そのため、威力のあるボールを自分の思うようにコントールすることができる。
「シリーズ最高峰」はダテじゃない。ヤサカの開発力が集約された渾身(こんしん)の最新作。『ラクザ』の本気を、ぜひ体感してほしい。
●ハイブリッドエナジー型裏ソフトラバー
●¥7,480(税込) ●厚さ:特厚・厚
●カラー:レッド・ブラック
●㈱ヤサカ 03・3634・5158
photo >> Yoshinori Eto
text >> Masataka Nakano
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