12月6~7日に、神奈川県立スポーツセンターで「第3回パラID全日本卓球選手権大会2024」が開催された。この大会は、6月に開催された「パラIDジャパン・チャンピオンシップ卓球大会2024」と並び、知的障がい者卓球の国内大会で最高峰の位置づけとなっている。
男子では、パリパラリンピック代表の竹守彪(たけし)が2年連続で2回目の優勝を果たした。腕を痛めていたものの、準決勝・決勝ともに相手にゲームを先行されながらも、気迫あるプレーで接戦をものにした。準優勝の浅野俊(たかし/東京パラ代表)は、3回戦で18歳のホープ、村上竜空に逆転勝利し、決勝でも竹守と激戦を繰り広げた。第1回大会優勝で国際大会経験も豊富なカットマンの原一が3位となった。また、村上に予選リーグで勝利した17歳の岡島葵や、4位の久保貴裕に惜敗した18歳の中原幸輝など、10代の選手たちが力をつけてきており、ロスパラリンピックに向けたさらなる若手の成長が期待される。
女子では、10月末の「SQYフレンチパラオープン」で優勝した山口美也が、2年ぶり2回目の優勝を飾った。竹守と同様に、準決勝・決勝でゲームを先行されたものの、カットマンとしての粘り強さを発揮して勝利した。前回優勝の馬渡伊吹は、攻撃力をつけて復調してきた伊藤槙紀に準決勝で競り勝ち、2連覇にあと一歩まで迫った。また、櫨山七菜子が3位に入賞。パリパラリンピックメダリストの和田なつきや古川佳奈美が準決勝に残れなかったことからも、日本女子の層の厚さが改めて感じられる大会となった。
ダウン症の部では、川久保美鈴が6月の「チャンピオンシップ大会」(初のダウン症の部を開催)に続き優勝。川久保は女子の部にも出場し、予選リーグを2位通過する活躍を見せた。
(以下、上位の結果/写真提供:日本知的障がい者卓球連盟)
●男子シングルス優勝:竹守彪(TOMAX/千葉)
準優勝:浅野俊(青嵐クラブ/神奈川)
3位:原一((株)レゾナック・ガスプロダクツ/山梨)
4位:久保貴裕((株)トラストシステム/山梨)
ベスト8:吉田友也(絆サンセリテ滋賀/滋賀)、岡島葵(上桂卓球場/京都)、福井昂孔(FORTUNA/滋賀)、山本駿太(フォレストTTC/佐賀)
●女子シングルス優勝:山口美也(絆サンセリテ滋賀/滋賀)
準優勝:馬渡伊吹(八戸卓球アカデミー/青森)
3位:櫨山七菜子(青葉クラブ/埼玉)
4位:伊藤槙紀(CTCひなり(株)/神奈川)
ベスト8:和田なつき((株)内田洋行/大阪)、古川佳奈美((株)えん・コミュニケーションズ/福岡)、岩浅琴音(NKT/新潟)、山本美貴子(ALL STAR/兵庫)
●ダウン症の部優勝:川久保美鈴
準優勝:善當竜也(TOMAX/東京)
今大会の結果(男女決勝トーナメントベスト16以上、フレンドリートーナメントベスト8以上の選手名、準々決勝以降のスコア、ダウン症の部決勝スコア)および入賞者写真は、卓球王国2025年2月号(12/21発売)に1ページで掲載します。
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