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【PICK UP】ドニック『ブルースター A2』/絶妙に「硬すぎない」中間硬度のスポンジが、ユーザー心理を射抜く!

<卓球王国2024年9月号より>

 

絶妙に「硬すぎない」中間硬度のスポンジが、ユーザー心理を射抜く!

 

 2023年3月にリリースされ、抜群の回転性能が評判となったドニックの『ブルースター A1』。

 それに続いて今年(2024年)3月に発売されたのが、今回紹介する『ブルースター A2』、そして『ブルースター A3』だ。3枚の『ブルースター』は同じトップシートに硬度の違うスポンジを採用し、『A1』は52・5度、『A2』は50度、『A3』は47・5度。ドニックジャパンの瀧澤光功さんによれば、最も売れているのは『A2』だという。

 「『A1』で硬さを感じていた方も多かったようで、『A2』は発売以降、かなり動きがあり、販売としては頭ひとつ抜けていますね」(瀧澤さん)

 早速、『ブルースター』シリーズの3枚のラバーを打ち比べてみた。威力の最大値が高いのはやはり『A1』、しかし平均値が高いと感じたのは『A2』だ。『A1』は万全(ばんぜん)な体勢で打った時のボールの伸びは圧倒的だが、かなりのスイングスピードが求められる。一方、『A2』は逆を突かれた時のとっさの打球でもボールが飛ばせて、練習を始めたばかりで体が温まっていない状態でも、確実にスピードが出る。

 ちなみに大会にも出場する瀧澤さんも、選ぶのは『A2』。「大会では自分に近いレベルの方と対戦することがほとんどで、『A2』のほうが安心感があります。『A1』のような『圧倒感』が出せないのは致し方ないですが、気持ち良さと勝率のバランスはさすがです」(瀧澤さん)。

 実際には、『A2』の50度というスポンジ硬度も決して軟らかい部類ではない。私も本当はより軟らかい『A3』のほうが合っているかもしれない。

 しかし、人は三段階の選択肢を与えられると、つい真ん中を選んでしまう。いわゆる「松竹梅(しょうちくばい)の法則」と言われるものだ。中間硬度の『A2』が最も支持されるのも、「ちょっと背伸びしたい」ユーザー心理の現れなのか?

 ……そんな分析はさておき、使えば自分の技術がワンランク上がった気分にさせてくれる『A2』。私もちょっとだけ背伸びをして、この一枚を選ぶことにしよう。

トップシート上部の「トップレイヤー」が厚く、粒が低い粘着テンションならではの粒形状だ

ドニック
ブルースター A2

●粘着テンション裏ソフトラバー
●¥9,460(税込) ●厚さ:MAX・2.0㎜
●スポンジ硬度:50度  ●カラー:レッド・ブラック
●イルマソフト㈱ スポーツトレーディング事業部
04・2936・4441
https://www.donic.jp/

 

photo >> Yoshinori Eto
text >> Taro Yanagisawa