<卓球王国2022年9月号より>
スウェーデンの老舗メーカー・スティガ。ラケットの印象が強いブランドだが、近年では裏ソフト『DNA』シリーズが日本市場に定着してきた。しかしスティガのラージボール用ラバーというと、認知度はまだ低い。かくいう筆者も、『マグニファイ LB』の名前を覚えていなかった(失礼しました)。
スティガは18年夏に、粒高『バーティカル』『ホリゾンタル』、表ソフト『シンメトリー』、そしてこの『マグニファイ LB』を一挙に発売した。日本市場をメインターゲットに、裏ソフト以外にも力を入れようという方針でのリリースだった。これら粒高&表ソフトは、いずれも日本製で、ユーザーからの評価が高い。『バーティカル』は、粒高の売上ランキング(卓球王国調べ)上位に食い込んでおり、また『シンメトリー』は弊誌試打企画で「バランスの取れた隠れた名品」と高評価を得た。
そして『マグニファイ LB』についても、6月に開催された全国ラージボール大会一般男子で、スティガスタッフである塩野真人さんが使用して3位に入り、トップクラスのラバーであることを証明した。ラージでも現役時代と同じく安定したカットを見せた塩野さん。「スティガ初のラージ用ラバーなので、尖った性能より回転と弾みのバランスを重視して設計しました。実際に使っても、まさにそのとおりと感じます。テンションにより弾みながらも、弾道が弧線を描くので、どのようなプレーでも安心して使えますね」(塩野さん)。
実際に、ドイツ製テンションのような圧倒的な球離れとスピードはないが、球持ちが良くて回転をかけやすい、日本製らしい仕上がりだ。20年6月号の試打企画では「回転をかけやすく、弾くとスピードも出る」との評価で、ボールを受けた選手も「硬式みたいな感覚」と評した。
「ラージラバーでもスティガの良さを広めていきたいですね」と語る塩野さん。裏ソフト『DNA』が認知されていったように、ラージ界でも『マグニファイ LB』がジワジワと存在感を出していきそうだ。
●ラージボール用表ソフトラバー
●¥5,280(税込)
●厚さ:特厚・厚・中厚・中
●スティガ・スポーツ・ジャパン㈱
03・5604・9395
photo >> Yoshinori Eto
text >> Hiromoto Takabe
ツイート