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インタビュー

関西学生選手権優勝の三浦竜磨「自分が優勝しないといけないと思っていた」

 6月8日に終了した関西学生選手権。男子シングルスで頂点に輝いたのは関西学院大4年の三浦竜磨だ。関西学生生リーグでの悔しい敗戦、そしてケガを乗り越えた関西王者に優勝インタビュー。

写真提供:関西学生卓球連盟/馬渡卓也・能津桂

●−まずは優勝おめでとうございます。

三浦竜磨(以下・三浦):ありがとうございます。

●−優勝した瞬間の気持ちは?

三浦:大会が始まる前から「この大会で絶対に優勝する」という気持ちを持っていたので、実際に優勝できたので安心しました。もちろん、うれしいという気持ちもありましたね。

●−目標は優勝だったんですね。

三浦:第1シードだったので、自分が優勝しないといけないとは思っていました。

●−優勝に向けて取り組んできたことの中で、実際の試合で生きたと感じる部分はありましたか?

三浦:そうですね。1カ月前くらいにリーグ戦(春季)があったんですけど、ぼくはそこで股関節を骨折してしまって。そこからあまり激しい練習ができない中、ケガの様子を見ながらできる練習だけをしていました。
ぼくはもともと回り込みだったり、動いて決めに行くプレースタイルだったのですが、動くのが(怪我によって)制限されて、動かない技術で戦うしかなかった。みんなからは前陣で両ハンドで打つプレースタイルこそ三浦竜磨だって言われていたんですけど、どうしても大きいプレーをしたり、決めにいきたい。でも動けないので前陣でやるしかなかった。それが逆に良かったのかなと思います。

●−リーグ戦で骨折したんですか?!

三浦:剥離骨折みたいな感じです。試合中に飛びついた時にやってしまいました。リーグの最終戦(龍谷大戦)です。同志社大戦に(チームが)負けてしまって、3校が得失マッチで並びました。最終戦でぼくが最後勝っていれば優勝というところで負けてしまった。(骨折の)痛みよりも悔しさのほうが大きかったです。

●−リーグ戦での悔しさが力になった?

三浦:そうですね。自分が負けたせいでチームも2位になってしまったので。関西学生選手権では絶対優勝しようと思っていました。

リーグ戦でのケガによって、前陣での両ハンドプレーに徹したことが功を奏した

●−苦しかった試合はありましたか?

三浦:5回戦のランク決定戦ですね。去年もランク決定戦でフルゲームでやっと勝てたので、今年も接戦になるだろうと思っていました。あと、リーグ戦での最後の2試合がどちらも2ゲームリードから逆転される展開で、「2−0になるとまくられる」っていうジンクスみたいなのが自分の中にありました。
ランク決定戦の西田有選手(大阪経法大)との試合でもやはり2−0のリードから追いつかれてしまい、西田戦はその「ジンクス」との戦い、言ってみれば自分との戦いでしたね。

●−その苦しい試合を乗り越えられた要因は?

三浦:リーグ戦の最終戦で、ゲームカウント2−2の9−9の場面でぼくがレシーブだったのですが、1本目はチキータレシーブをミスしてしまった。正直、そういう場面では自分からしかけていかないと勝てないと思っています。そういった9−9のような場面で自分からしかける技術をかなり練習でやりこみました。その練習のおかげで、西田選手との試合では2−2の9−9になっても自分の技術に自信を持つことができ、2点連取で勝つことができました。

●−ランク決定戦以降で難しい試合はありましたか?

三浦:準々決勝で人見航希選手(関西大)に4−2で勝利したんですけど、最後のゲームは結構ギリギリで取れたという感じで、自分の中ではかなり苦戦した試合ではあります。人見選手とは今大会が初めての対戦でした。

●−優勝できた一番の理由は何だったと感じていますか?

三浦:やっぱり優勝するという気持ちが誰よりも大きかったからだと思います。優勝することしか頭になかったというか、「優勝」という目標を明確にしていた点ですかね。
あと、前回優勝した内田さん(智也・龍谷大)ととても親しくしていて、リーグ戦で負けて悔しい思いをしている時にめちゃくちゃ支えてくれたんです(笑)。その内田さんが「俺が優勝したあとに三浦が優勝するのはアツいね」と言って、すごく応援してくれていた。わざわざ会場まで来てくれたんです。それが心の支えになりました。むしろそれが一番大きな要因ですかね!(笑)

●−この規模の大会でのシングルス優勝は今大会が初めてですか?

三浦:そうですね。遊学館高時代はインターハイもジュニアも選抜も、何も出たことがありませんでした。高校3年時はコロナでインターハイが中止になったので、出場できませんでした。

●−今回の優勝は特別なものになったのではないですか?

三浦:優勝は素直にうれしいです。でも本心は、ぼくが3年の時の「関西ランキング」というので1位になっていたので、優勝したのがうれしいというよりも、今回は「優勝しないといけない」という気持ちのほうが強かったですね。でもやっぱり優勝はうれしいですね。

●−最後に、次の目標を教えて下さい。

三浦:全日学でランクに入ったことがないので、ランクに入ることが目標です。さらに、卒業して社会人になっても卓球を続けていくので、そこでも上を目指せたらなと思っています。

●−さらなる高みを目指して頑張ってください!

 

試合に出場する選手は誰しも「優勝」の二文字を思い描くことはあるだろう。しかし、それを自分に課し、ブレずに突き進む強さを誰もが備えているとは言い難い。ケガも悔しい敗戦も自分の糧にして前進していく三浦のこれからに、大きなエールを送りたい。

●みうら・りょうま
2002年11月10日生まれ、愛知県出身。遊学館高から関西学院大に進学。2022年全日学男子ダブルスベスト8、2024年関西学生選手権男子シングルス優勝。右シェーク両面裏ソフトドライブ型

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