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大会報道

【後編】悲願の「全日本実業団優勝」に向けて、株式会社ファーストの監督、選手が語り合う

東京都江戸川区に本社を置き、関東一円を中心に全国規模で事業所を持つ株式会社ファースト(代表取締役社長/浜野浩)。

ファーストは、オフィスソリューションをメインに、照明や空調設備などのエコソリューション、更には卓球スクールをメインにスポーツ分野の事業も手がける商社。メイン事業であるOA機器分野での売上は、全国でも有数の規模を誇っている。

そのファーストの卓球部は、五輪、世界代表選手を揃えたドリームチーム。主なメンバーは高木和卓、大矢英俊、松平健太、神巧也、町飛鳥、丹羽孝希、そして今春に日本大を卒業して入社した小林広夢というそうそうたる選手たちだ。

中学、高校、大学と卓球部で腕を磨いたファーストの浜野社長は、「選手たちの居場所を作りたい」という思いで彼らをサポートするとともに、選手たちは同社が運営する『ファースト卓球スクール(東京の有明校、平井校)』で練習をしながら、スクール生の指導にもあたるなど、卓球を通じてさまざまな活動と地域貢献を行っている。

チームとして掲げている目標は「全日本実業団選手権の優勝」。明後日、6月26日から京都府の島津アリーナ京都で開催される全日本実業団選手権に向けて、ファースト選手と監督による座談会の【後編】を紹介する。

 

「実業団に向けてさらにチームワークを高めていって、チームとしてだけではなく、全社一丸となって初優勝を達成したいと思っております」(浜野)

 

●実業団選手権も迫ってきて、選手たちで集まって練習していく機会も増えていくのでしょうか?

松平健太(以下・松平) 去年の実業団前は集まって練習することが多かったのですが、今年は選手それぞれが国内、海外のリーグに出て腕を磨くことが多くなっているので、去年ほどは集まって合宿をすることは多くないです。それでも個々で連絡を取り合って、申し合わせて有明のファースト卓球スクールの卓球場で少人数で練習をしています。小林とも連絡を取り合ってよく練習していますね。

●ダブルスの練習についてはどうですか?

松平 ぼくとしては神(巧也)とは去年組んでいますし、丹羽(孝希)ともずっと組んでいたので同じ左利きの小林(広夢)と組んでも十分やれると感じています。

エースとしてチームを引っぱる松平健太

●昨年は初めて準決勝の壁を破って決勝に進みましたが、リコーに2-3で負けました。振り返ってみて優勝できなかった理由はどういったことだと考えますか?

高木和卓(以下・高木和)  そうですね。決勝に限ったことではないですが、もっと1戦1戦をみんなでしっかりと考えて、どの試合も隙なくやった方が良かったかなと感じています。準決勝で勝負だと考えていた協和キリンに勝って、そこで「優勝の確率が上がった」と思ってしまう部分は少なからずありました。今年はどこと当たっても決勝戦ぐらいの気持ちやらなければいけないと思っています。

● 松平選手はどうですか? 昨年は大会中に肩を痛めて、それが大きな怪我として手術を行いました。

松平 毎年、目標は優勝と言っていたけれど、去年初めて決勝に行って、それこそ無意識ながら少し隙があったのかなと。準決勝後の決勝までの試合時間も短くて、準決勝から決勝まで準備や整理があまりできなかったとも感じています。

優勝を目標にして戦っていましたが、初めて決勝に行ってぼく自身もどこか満足してしまった感じがあったのかもしれません。実際には(決勝進出に)満足はしていなかったけれど、心のどこかに安堵感があったのかもしれません。

浜野浩監督(以下・浜野) 私が反省しているのは、今、健太君が言ったように準決勝から決勝までの時間がなく、選手たちの体力的な部分やオーダーを含めてチームとしてしっかり練って、準備することができませんでした。今年はその反省を生かして、試合と試合の時間が短くなっても十分な準備をして臨むようにしたいと考えています。

「今年こそは必ず優勝を」と語る浜野監督

●ありがとうございます。小林選手は去年は出場していないのでこの質問はないのですが、初めての実業団選手権でどのようなプレーを心がけていますか?

小林広夢(以下・小林) ぼくは最年少ということもありますし、まずはしっかりと声を出して、元気に全力で頑張らなければいけないと思っています。先輩たちは技術と実績、経験は十分に備わっているので、ぼくの元気についてきてほしいです!

高木和 ファーストに入ってからこんなに若い選手と一緒に戦うのは初めてだから、なんか新鮮だね(笑)

新人の小林広夢。単複での活躍に期待がかかる

最年長36歳の高木和卓

●前回大会では赤い特製Tシャツを着たファーストの社員100名が会場に来て応援していて、一般の方にもTシャツをプレゼントして大応援団ができました。今年の京都大会の応援はどのようになりますか?

浜野 社員は70名くらいが会場に来て応援します。実業団選手権に向けて、今大会も赤いTシャツを新たなデザインで作りました。事前にうちのWEBサイトで50名に無料でプレゼントと発表したら30分くらいでなくなりました。現地にも50枚ほど持参するので、ファースト社員の応援団に声をかけていただければ、先着順でTシャツをプレゼントさせていただきます。

この試みは、やはり応援していただける人が多ければ多いほどチームの力になるためです。私たちファーストと一緒に、同じTシャツを着て一緒に熱くなりましょう!

前回大会のファースト大応援団(一部)

●前回大会からAチームに加えて、Bチームも出場し、Bチームもベスト8入りを果たしました。最後に、両チームについて今大会でどのような戦いを見せていただけるのかコメントいただけますでしょうか。

浜野 まずBチームのメンバー構成は、プロ選手が大矢英俊と町飛鳥の2人、ファースト社員の手塚大輝と影山拓海の4人で戦ってベスト8に入りました。4人ともすごく頑張ってくれたと思います。初出場でここまで来たので、今大会ではベスト4を目標にして全日本団体に出てもらいたいなと思います。

そして、Aチームは何度も言ってますが、初優勝というところはブレていないので、今年こそはその目標を達成したいです。今大会は丹羽孝希は資格停止6カ月のため出場できません。10月に行われる全日本団体の最終日から処分があけるので、そこでの出場に向けて、全日本実業団選手権は最低でもベスト4以上に入り、全日本団体出場の権利を得たいと思っています。

実業団に向けてさらにチームワークを高めていって、チームとしてだけではなく、全社一丸となって初優勝を達成したいと思っております。

 

神巧也選手。前回の全日本実業団選手権から

合同練習に参加できなかった神巧也選手に全日本実業団への意気込みを聞いた。

神巧也 「ファーストから全日本実業団選手に出場するのは4大会目になりますが、今年こそは優勝という強い思いがある反面、優勝を意識しすぎて足元をすくわれないように1戦1戦をしっかりと戦っていきたいと考えています。年齢的なことから自分はあと何年ベストな状態で出場できるかわからないので、出る試合全てでベストを尽くしたいと思っています。

チーム内での自分の役割としては、1番から5番までどこに出ても勝てる選手でいなければいけないと考えています。小林はファーストに入ったばかりですが、ぼくはT.T彩たまで一緒にやってきているので、彼のポテンシャルが高いことをわかっています。また、彼の“若さ”もチームに良い影響をもたらすことに期待しています。

去年も多くの社員やファンの方が赤いTシャルを着て応援してくれて、それが大きな力になりました。応援してくれるみなさんに“初優勝を届けたい”と思います!」

 

↓ファースト卓球スクール
https://first-tt.com/

ファースト卓球スクール有明校での練習風景

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