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インターハイ2021

監督も「知らなかったんです」。愛み大瑞穂を笑顔にした、スタンドからの無言のエール

 惜しくも準々決勝で就実に敗れ、ベスト8で学校対抗を去った愛み大瑞穂。勝っても負けても、最後までチーム一丸、全力でガッツあふれる戦いぶりを貫き、「これぞインターハイ!」という清々しい戦いをいつも見せてくれるチームだ。

 

 無観客での開催の今大会、いつものように声を出しての応援やプレーができない中で、愛み大瑞穂の選手たちは試合の合間にスタンドを見ては笑みをこぼしていた。彼女たちの視線の先にあったのは、サポートメンバーとして会場に入った部員たちが掲げるメッセージ。様々な言葉を記したスケッチブックを通して、選手たちに無言の声援を送っていた。

「大丈夫」

「まえむき」

「笑顔」

「自分らしく」

「自信」

「強気」

「地に足つけて」など

 

 これについて愛み大瑞穂・神谷卓磨監督に聞くと「ぼくも知らなかったんですよ」とのこと。昨日の1・2回戦では行っていなかったが、今日の3回戦からサポートメンバーが自らメッセージボードを作成して掲げていたという。

 「実はぼくも知らなくて、ふと振り返ったらスタンドにボードがあって。ちょっとビックリしました。(無観客開催の中で)今回はサポートメンバーが2人入ることができて、彼女たちが考えてくれたんです。昨日の試合ではなかったんですけど、今日の試合中に選手たちがスタンドを見てニコニコ笑ってるから何だろうと思ったら、ボードが出てました」

神谷卓磨監督

 

 上位常連校の愛み大瑞穂だが、今春の選抜では今大会でも敗れた就実に2回戦で敗退。それでも愛知県予選では選抜2位の桜丘を下してインターハイ出場を勝ち取り、東海大会でも優勝を果たした。今大会は1回戦から札幌大谷、正智深谷、希望が丘と立て続けに強豪校との対戦を制してベスト8まで勝ち進むなど、力をつけて夏を迎えた。

 「(就実戦は)ダブルスでも4番でも最後に少し守りに入ってしまったところが弱さかなと思います。みんな一生懸命練習していましたし、強くなりたいっていう気持ちが強かったので、毎日すごく良い練習ができていました。なので手応えはありました」(神谷監督)

 今大会では稲垣幸菜、今枝愛美と2人の1年生を積極的に起用。今日の就実戦でも今枝がフルゲームで勝利し、稲垣も記録には残らないが5番で快勝を収めた。神谷監督は「1年生はのびのび戦って、勢いをつけてきてくれれば良いかなと考えていました」と語ったが、想像以上の働きに「よく頑張ったと思います」と賛辞を贈った。

笑顔を浮かべてプレーし続けた稲垣幸菜

今枝愛美も勝利を重ねた。父は神谷監督の高校時代の恩師でもある愛工大名電高・今枝一郎監督

 

 このチームで戦うのは今日が最後となったが、毎年のようにインターハイで名勝負を演じることができるのは、脈々と受け継がれる愛み大瑞穂のDNAの証。例年より静かな会場の中で、選手もベンチもスタンドも、精一杯に戦った愛み大瑞穂の夏は今年も熱かった。

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