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中国リポート

中国が世界選手権団体戦・成都大会の代表メンバーを正式発表

9月11日、中国卓球協会は2022世界卓球選手権成都大会(団体戦)に出場する中国代表を発表した。男女各5名の代表メンバーは下記のとおり。

[中国男子代表]
樊振東・馬龍・梁靖崑・王楚欽・林高遠
[中国女子代表]
孫穎莎・陳夢・王曼昱・王芸迪・陳幸同

……代表の顔ぶれは現時点でのベストメンバーであり、何の違和感もないものだが、決定するまでには少々の紆余曲折があった。

中国卓球協会が成都大会の代表選考の方法を発表したのは8月24日。まず8月23日発表の2022年第34週の世界ランキングから、男女とも上位4名を代表に選出した。男子の樊振東・馬龍・梁靖崑・王楚欽、女子の孫穎莎・陳夢・王曼昱・王芸迪だ。

エースの重責を担う樊振東。驚異の8大会連続出場となる馬龍の存在は心強いが、いつまでも頼ってはいられないだろう

残りの男女ひと枠については、男子は9月3〜4日に成都での集合訓練で代表選考会を実施。A組(林高遠・趙子豪・袁励岑)とB組(林詩棟・劉丁碩・向鵬)の1位が代表権をかけて対戦する方式で、林高遠が3ー0で向鵬を下し、最後の代表切符を手にした。

ちなみにA組で出場した右ペンドライブ型の趙子豪が予選敗退した時点で、成都大会の男女団体代表メンバーからペンホルダーの選手がいなくなることが確定。1953年のブカレスト大会(ルーマニア)から繋がってきた、ペンホルダーのひとつの伝統が途絶えた。2018年ハルムスタッド大会代表の許昕は、チームに帯同して成都入りしているが、世界選手権団体戦への連続出場は5大会で途切れている。

一方、女子も男子と同様、9月3〜4日に范思琦・張瑞・劉煒珊・蒯曼・何卓佳による代表選考会を実施。18歳の左シェークドライブ型、蒯曼が見事に勝ち抜いたが、この時点ではまだ代表候補選手。9月5〜10日に行われた『WTTコンテンダー マスカット』に出場する陳幸同と銭天一のうち、どちらかが女子シングルスで優勝すれば、その選手を5番目の代表にするという規定だった。結局、『WTTコンテンダー マスカット』では準決勝で銭天一を4ー0、決勝で崔孝珠(韓国)を4ー0で下した陳幸同が優勝し、5番目の代表入りを果たしている。

昨年の世界選手権ヒューストン大会(個人戦)に続き、代表入りを果たした陳幸同

9月10日に発表された大会へのエントリーチームは、「男女各40」という出場枠に対し、「男子35・女子31」に留まった成都大会。ドバイとシンガポールから成都に入るチャーター便の手配、選手団のビザの取得なども全体的に遅れている。高額な渡航費によってアフリカや南米のチームの欠場が相次ぐなど、どうにも「アスリートファースト」とは言い難い状況であり、ヨーロッパを中心に有力選手が出場を回避するケースも出てくるだろう。渡航前のPCR検査の手順は煩雑で、大会中も選手は毎日必ずPCR検査を受けなければならない。

一方で、世界選手権団体戦を2大会連続で中止することは避けたいのも事実。まずは無事に大会開幕にこぎつけたいところだ。

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