<卓球王国2021年10月号より>
近年、ヤサカの特殊素材ラケットのラインナップが充実している。インナー素材の『リーンフォース』シリーズや、PBカーボン搭載『ゼバレート』などが好評だ。それらに先駆けて登場し、ヤサカ特殊素材の人気の火付け役となったのが、初代『アルネイド』。これは木材5枚合板のアウター(表面から2枚目)にPAカーボンを配置したモデルで、言わば特殊素材ラケットの王道の設計だ。
そしてこの厚いラインナップに、20年12月に仲間入りしたのが『アルネイドインナー』。その名のとおり、『アルネイド』の合板構成を継承し、特殊素材の位置をインナーにアレンジしたモデルである。実はこのラケット、19年初頭から発売された、大手卓球卸業・唐橋卓球のオリジナルモデルを、定番商品化したもの。4アイテムを揃える『リーンフォース』シリーズに加え、ヤサカが『アルネイドインナー』を追加投入したのは、『アルネイド』およびその特注版が好評だったためだ。
『アルネイド』はヤサカが「トップギア」シリーズとして発売したモデルで、1万円を切る普及シリーズの『リーンフォース』とは棲み分けがなされている。『リーンフォースAC』と『アルネイドインナー』は合板設計が近いが、『アルネイドインナー』のほうが打球感はソフトながら若干弾み、より上級者向けのテイストだ。とは言え、比較的スピード性能の高い『アルネイド』と比べると木材の打球感が強調され、安定感や回転のかけやすさがアップ。「トップギア」にカテゴライズされながらも、幅広い層のドライブ型の選手に使いやすい性能と言えるだろう。
特殊素材モデルが増えたことで、選ぶ側としては迷ってしまいそうだが、「インナー」「正統派」「安定感」「上級向き」、これらのキーワードにピンと来る人には間違いのない1本だ。
●攻撃用シェークハンドラケット
●¥13,200(税込)
●木材5枚+PAカーボン2枚
●ブレードサイズ:157×150㎜
●板厚:5.8㎜
●平均重量:85g
●㈱ヤサカ 03・3634・5158
photo >> Yoshinori Eto
text >>Hiromoto Takabe
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