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ニッタク渾身の日本製裏ソフトラバー『ハモンドZ2』の性能に迫る

ニッタクが誇るベストセラーの裏ソフトラバー『ハモンド』シリーズに、実に13年ぶりとなる新作『ハモンドZ2』が登場する。Nittaku×卓球王国共同企画の第1弾記事では開発の経緯に追ったが、第2弾となる今回は、具体的な性能について卓球王国がニッタクに取材し、まとめてみた。(この記事は卓球王国2022年6月号にも掲載しています)

 

天然ゴム比率が高く密度の高いシートにより、ボールが落ちない

『ハモンドZ2』で特に重視したのが“落ちない”という点だ。卓球スタイルが進化し、カウンターがより重要になる中で、トップ層や上級者はラバーに対し、カウンターなどでボールが落ちることを嫌う。水平方向のスイングでもボールが落ちずに上方向に飛び出すために、ニッタクは“落ちない”トップシートの開発に時間をかけた。
かつての『ハモンド』シリーズでは合成ゴム比率を上げることで反発力を向上させてきたが、“落ちない”シートにするために、ボールをグッとむ性質のある天然ゴムの比率を上げるとともに、密度も高めた。

“引きつれ”の復元力の強さで上に飛ぶ

新開発「ナチュラルリッチシート」の、打球時の挙動を示したのが、上のイメージ図だ。打球面を伏せ気味にした水平方向のスイングで、ボールを薄くとらえた瞬間が上段(インパクト時)。黄色矢印のように、トップシートが引きつれを起こし、ボールが滑ることなくラバー表面でグッと掴むような感触をもたらす。そして下段(インパクト直後)のように、シートが持つ強い復元力により、引きつれで溜め込んだエネルギーが、逆方向(黄色矢印)に強く復元。相手の打球に負けることなく、強い回転をかけ返しながら、ボールが上方向に飛ぶ。

ラバー側面の拡大写真。複数の粒形状が試作された中で、2番目のナンバリングが施された粒形状が採用されたのが『Z2』だ

強い隔壁の独立気泡によりエネルギーロスを軽減

『Z2』において、「落ちない」ことを主に担当するのがシートなら、「反発力」を主に担当するのがスポンジだ。左が新開発「バルクヘッドスポンジ」のイメージ図。気泡は、1個1個が完全に独立している割合を高めた。それにより、インパクト時に圧縮された気泡内の空気が外に漏れず、強い反発力でボールを押し返す。また気泡を隔てる“壁”にあたるバルクヘッド(隔壁)も、従来よりもエネルギーロスを軽減し、強い反発力をもたらす。気泡が大きめで、隔壁が強いことから、食い込みの良さと反発力の強さを同時に実現した。

シートとスポンジが組み合わさり男子トップ層が求める性能を実現

「ナチュラルリッチシート」により、ボールを薄くとらえても落ちずに上に飛ぶ軌道を実現し、加えて「バルクヘッドスポンジ」により、エネルギーロスを軽減して反発力を強化。これらシートとスポンジの相乗効果で、相手の回転を利用したカウンターでも、台から離れた時の引き合いでも、相手コート深くに突き刺さるドライブが可能になった。  最新のプレースタイルにマッチした、男子トップ層が求める性能を実現した『ハモンドZ2』。日本製ラバーの最高峰として、ドイツ製ラバーの最高峰『ファスタークG-1』とともに、ニッタクの双璧という位置づけになるだろう。その実力を、次回、ラバー名を隠しての試打(ブラインド試打)で検証する(試打動画は5月19日夜公開予定)。

★『ハモンド』21年の歴史と、13年ぶりの新作『Z2』誕生の経緯

★ニッタク渾身の日本製裏ソフトラバー『ハモンドZ2』の性能に迫る

★ハモンドZ2 &トップラバー ブラインド試打動画を公開!

★ハモンドZ2の記事&試打は別冊『卓球グッズ2022』でも掲載しています。