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【PICK UP】ラリーエース/こだわりの「柾目」と 異色の「センターカーボン」の妙 誠実かつ挑戦的な新機軸

<卓球王国2022年1月号より>

 

こだわりの「柾目」と

異色の「センターカーボン」の妙  

誠実かつ挑戦的な新機軸

 

 今春、新たな公認ラケットブランドとして卓球市場に参入した“ラリーエース”。新ブランドではあるものの、ラケットを製造するセンターフィールド社は、これまで長く他メーカーへラケットのブレード基板を提供。ヒット作を生み出した実績もあり、彼らの手掛けるラケットには確かなクオリティが宿る。

 インターハイなどの全国大会でラリーエースのラケット使用者を目にする機会も増えており、10月の全日本マスターズでは女子サーティで坂本直子選手(円山クラブ)が『リンバアウター』を使用して優勝。「全日本タイトル獲得ラケット」も誕生した。今回、6本のニューモデルをリリースするが、中でも注目は意欲作の『メイプルSセンター』だ。

 この『メイプルSセンター』、注目すべきポイントは2つある。まず1つは使用した「木目」。木目は丸太のどこを切断するかで「柾目」と「板目」の2つに分かれる。柾目とは丸太の真ん中付近を切断した際、縦方向へ真っすぐに木目が現れる部分。それ以外の部分を切断した際に不規則に木目が現れる部分が板目となる。

 すでに発売されている『メイプル』シリーズでは上板に板目を使用していたが、新たに登場した『メイプルS』シリーズでは希少な柾目を使用。板目に比べ、木材内部の密度の高い柾目を使うことで、『メイプルS』シリーズはより柔らかな打球感と心地良い弾みを実現した。

 そして2つ目の注目点は「センターカーボン」仕様であること。特殊素材ラケットの場合、2枚の特殊素材を合板の両側、同じ階層に組み込むのが一般的。しかし、『メイプルSセンター』では合板の中心に1枚のカーボンを搭載している。

 一見すると奇抜に見えるこの合板構成の狙いは、木材本来の良さを活かすこと。合板の最深部にカーボンを置くことで芯から弾みを生み出し、天然木本来の球持ちの良さと打球感を損なうことなく、反発力をアップさせている。木材の目利きが選び抜いた、良質な天然木を最大限に輝かせるために選択されたのが異色の「センターカーボン」というわけだ。

 木材へのこだわりと挑戦的な合板構成が織りなす妙。誠実なモノづくりだけでなく、「攻め」の一面も垣間見せたラリーエースの新機軸、ぜひご堪能あれ。

 

板厚は6.7㎜と厚めだが、センターカーボン構造により、しなりのある打球感を実現

ラリーエース

メイプルSセンター

●攻撃用シェークラケット 

●¥17,600(税込)

●木材6枚+カーボン1枚 

●グリップ:FL

●板厚:6.7㎜

●センターフィールド㈱

 https://www.center-field.co.jp/

 

photo >> Yoshinori Eto

text >> Takazumi Asano