日本生命レッドエルフ | 3–2 | 木下アビエル神奈川 |
レギュラーシーズン2位 | レギュラーシーズン1位 |
1 | ◯ | 常晨晨 | 8-11 | 11-7 | 13-11 | 石川佳純 | |||
蒋慧 | 木原美悠 | ||||||||
2 | 平野美宇 | 5-11 | 11-6 | 12-14 | 11-7 | 9-11 | 杜凱琹 | ◯ | |
3 | ◯ | 早田ひな | 11-8 | 9-11 | 11-9 | 3-11 | 19-17 | 袁雪嬌 | |
4 | 前田美優 | 10-12 | 12-10 | 10-12 | 5-11 | 石川佳純 | ◯ | ||
5 | ◯ | 早田ひな | 11-7 | 袁雪嬌 |
レギュラーシーズン2位の日本生命レッドエルフが、木下アビエル神奈川との3時間越えの大熱戦を制し、劇的な「下克上」。ノジマTリーグの初代女王は、日本生命レッドエルフ!
トップのダブルスから勝負は白熱した。石川のフォアのパワードライブ、木原の強烈なバック強打で1ゲームを先取した木下ペアが、2ゲーム目4-2でリードした時点で常晨晨/蒋慧がタイムアウト。すると、ここから常晨晨/蒋慧が6点連取で逆転し、11-7でゲームを取り返す。「スロープレー」とイエローカードを出されても、ゆったりとした間合いでプレーに入る。
3ゲーム目は先に石川/木原が10-8でマッチポイント。日本生命ペアが10-10に追いつくも、11-10と3回目のマッチポイント。ここで木原のサービスに対し、相手のサービスが石川のバック前に少しだけ浮いた。石川が最も得意とするボールだったが、一発で打ち抜きにいった石川の3球目パワードライブはわずかにオーバーミス。結局、常晨晨/蒋慧が13-11で勝利を収めた。その瞬間、石川は天を仰いで顔を覆った。
2番平野美宇で連勝したい日本生命だが、その前に立ちはだかったのは杜凱琹。ゲームオール11-9で平野を下す。バックの弧線の高いループドライブと、深いツッツキからのカウンターにうまく打たされて1ゲーム目を落とした平野だが、2ゲーム目は逆にうまく打たせて次球を狙い、互角の展開に持ち込む。3ゲーム目は12-14で落としたが、4ゲーム目は4-7から「ハリケーン・ヒラノ」の面目躍如となるカウンタープレーを連発し、7点連取で11-7。最終ゲームに持ち込む。
最終ゲームは杜凱琹が9-6と3点連取、負けじと平野が3点連取で9-9。ここでサービスを持った平野は、序盤で効いていた巻き込みのロングサービスから思い切ってカウンターを狙うが、杜凱琹のバックドライブに勝負の1球がオーバーミス。これはあまりにリスキーな選択だったか。最後はストップ対ストップから杜凱琹がフォアドライブを決めた。木下アビエルが1-1のタイに戻す。
3番は早田ひな対袁雪嬌。レギュラーシーズン14勝の袁雪嬌と、11勝の早田によるポイントゲッター対決。1ゲーム目は早田のフォアドライブに対し、袁雪嬌のブロックにオーバーミスが多く、早田が1ゲームを先取。フォア前のサービスに対しては積極的に「逆チキータ」で変化をつけて先手を取りにいく早田。2ゲーム目は早田が4-10から9-10まで追い上げるも、タイムアウトを取った袁が早田のチキータミスを誘い、11-9で1-1に追いつく。3ゲーム目は早田、4ゲーム目は袁が取って、またも勝負は最終の5ゲーム目へ。
5ゲーム目、10-7でマッチポイントを握ってから、重い両ハンドドライブで実に8回ものマッチポイントを握った袁。まさに怒涛のがぶり寄りで、早田を土俵際、際(きわ)の際まで追いつめたが、早田も強気のバックカウンターを連発。観客も痺れに痺れた一戦は、早田が18-17で握った3回目のマッチポイントで、ロングの巻き込みサービスからフォアクロスのドライブを打ち続けた早田がついに勝利!!
4番は石川佳純と前田美優のサウスポー対決。1~3ゲーム目はいずれもジュースにもつれ込む接戦。バック対バックの安定性、フォアクロスのカウンターの打ち合い、いずれも安定性で一段、二段上回る石川だが、やや余裕のない戦いぶり。前田のバックへのロングサービスから早めの勝負を仕掛けたが、早打ちのミスも出ていた。前田も緩急を交えながら石川をうまく左右に揺さぶり、接戦に持ち込んだが、4ゲーム目は石川がバック対バックで圧倒して9-3と大きくリード。そのまま決着をつけた。
ついにビクトリーマッチ。木下はダブルスに石川を起用した時点で、ラスト袁雪嬌はほぼ確実。日本生命の早田の起用も予想どおりで、大激戦となった3番の再戦が実現した。6-6までは競り合ったが、早田はやや台から距離を取って袁の両ハンドドライブを受け止め、よく見極めてフォアハンドで勝負に出て連続得点。勇気を振り絞って戦い抜いた。最後は10-7の早田の2回目のマッチポイントで、早田の長いツッツキに対し、袁のツッツキがネットミス。「信じられない」というように顔を覆って涙を見せた早田。最後まで全勝を守り、13戦全勝でファーストシーズンを駆け抜け、見事チームを頂点に導いた!
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