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【PICK UP】10年の時を経た自信作。 ビスカリア伝説は第2章へ

<卓球王国2022年7月号より>

 

10年の時を経た自信作。

ビスカリア伝説は第2章へ

 3月1日の発売と同時に、予定していた生産量を大幅に超える注文が殺到。契約選手ですら、簡単には手に入らないほどの大ヒットを飛ばした。バタフライが満を持して放つ2022年の目玉商品、『ビスカリア SUPER ALC』。世界規模の大ヒットラケット『ビスカリア』の進化版というのだから、上々のデビューはすでに約束されていたと言うべきだろう。

 搭載された新開発の特殊素材、スーパー アリレート カーボンは、アリレート カーボンのボールをつかむ打球感を残しながら、さらに弾みを高めたものだ。弾みに特化したスーパー ZLカーボンの開発後、バタフライが2012年から開発に取り組んできたもので、完成までの道のりには多くの困難があったという。

 ラケットの弾みを反発特性、打球感を振動特性として数値化しているバタフライ。ラケットの弾みを高め、反発特性を上げるとどうしても振動特性の数値も上がり、あまり手に響かなくなり、アリレート カーボンならではのフィーリングが損なわれてしまう。

 アリレートとカーボンというふたつの繊維を織り込む量と比率について試作と性能評価を重ね、完成したスーパー アリレート カーボン。非常に硬い素材で加工も難しいというが、仕上がりの美しさはご覧のとおりだ。

 注目される性能はというと、まず相当に「弾む」。弊誌別冊『卓球グッズ2022』の新製品試打では、6人の試打者がスピード性能でほぼ満点をつけ、プロコーチであり、試打のスペシャリスト・川口陽陽(YOYO TAKKYU)さんが「攻撃特化型のラケット」と評したほど。近年流行の粘着テンションを貼ってもしっかり飛ばせると、相性の良さを評価する声が多かった。

 ただし、弾みが強いために回転をかけるにはインパクトの強さが必要。打球感重視とはいえ、使い手を選ぶラケットであることは間違いないだろう。『ビスカリア』が根強い人気を誇る中国市場も視野に入れ、中国式ペンもラインナップされたのはペンの選手にはうれしいところだ。

 腰を据えて使い込むか、ジュニア選手が早い段階から使うことでフィーリングを高めるか。高性能であるがゆえにレベルアップへの意志が試されるこのラケット。使いこなせば、アナタを大きく飛躍させてくれることは間違いない。

 

木材と合板構成は、『ビスカリア』と全く同じ。素材の密度の違いにより、平均重量は約5gアップしている

 

 

バタフライ

ビスカリア SUPER ALC

●攻撃用ラケット

●¥27,500(税込)

●木材5枚+スーパー アリレート カーボン2枚

●グリップ:FL・ST・中国式ペン 

●板厚:5.7㎜ ●平均重量:90g

●㈱タマス お客様サポートセンター 0120・600・731

 https://www.butterfly.co.jp/

photo >> Yoshinori Eto

text >> Taro Yanagisawa