文部科学省の「学校基本調査」によると、日本全国の中学生の数は約310万人で、毎年3~4万人規模で減少している。2024年度から2025年度にかけての減少率は約1.15%だ。
こうしたなか、日本卓球協会が発表した2025年度(2025年4月~2026年3月)の中学生の登録人数は、前年度の133,806人から124,733人へと、9,073人も減少した。わずか1年間で約6.78%もの減少であり、これは全体の少子化による減少率を大幅に上回る深刻な数字だ。
この背景には、教員の働き方改革に伴う「中学校の部活動の縮小・廃止」や、クラブチームへの「地域移行」が大きく影響しているのではないだろうか。
その一方で、今春の卓球市場には“想定外の事態”が起きている。いわゆる「学販(がくはん)」と呼ばれる、新入部員向けの中学生用初心者セットの売れ行きが好調だったというのだ。多くの卓球ショップやメーカーに聞いても、おしなべて「落ち込むかと思ったが、今年の学販はよく売れた」との声が返ってきた。
ある地方のショップ関係者は、「部活動の地域移行が進むなかで、大人数が必要なチームスポーツから、学校で手軽に始められる卓球部に子どもたちが流れてきたのではないか」と推測する。
だとすれば、部活の競技人口(初心者)自体は決して減っていないことになる。それにもかかわらず、なぜ協会の登録人数はこれほど激減しているのか。地域移行によって外部クラブへの移行や部活のクラブ化が進んだ結果、協会への登録手続きや費用面のハードルから、あえて競技登録をしない「ライト層」が増えている可能性が浮き彫りになってくる。
以下は、コロナ禍前の2016年度以降、過去10年間の登録人数の推移である。
新型コロナウイルスの影響期(2020年〜)があったとはいえ、ピークだった2018年度を境に、協会の総登録人数は約7万8,000人も減少した。中学生の人数も4万人以上減っている。当然のことながら、中学生の減少は今後の高校(高体連)の競技人口減少にも直結していく。
現実として押し寄せる少子化の波のなかで、協会として部活の地域移行(地域展開)にどう対応していくのか。単に競技者を囲い込むだけでなく、健康スポーツとして幅広い層へ卓球の裾野を広げる普及策が、今まさに急がれている。
*写真は全国中学校大会の風景
<日本卓球協会の登録人数推移>
2025年度:(全体)280,010人 / 中学生 124,733人
2024年度:(全体)290,550人 / 中学生 133,806人
2023年度:(全体)299,285人 / 中学生 142,049人
2022年度:(全体)303,229人 / 中学生 146,396人
2021年度:(全体)301,984人 / 中学生 145,446人
2020年度:(全体)262,175人 / 中学生 118,040人
2019年度:(全体)358,124人 / 中学生 179,129人
2018年度:(全体)358,600人 / 中学生 178,319人
2017年度:(全体)348,195人 / 中学生 171,893人
2016年度:(全体)333,567人 / 中学生 163,501人
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