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アジア選手権代表選考合宿、男子は予選から好カードが続出

アジア選手権の代表選考合宿は、今日19日から男子がスタート。出場した24名による予選リーグのあと、決勝トーナメント1回戦が行われた。まず予選リーグの結果は下記のとおり。

●予選リーグ
A 1位:戸上隼輔(明治大・2勝0敗)
2位:及川瑞基(木下グループ・1勝1敗)
3位:吉山僚一(愛工大名電高・0勝2敗)

B 1位:篠塚大登(愛工大名電高・2勝0敗)
2位:平野友樹(協和キリン・1勝1敗)
3位:森薗政崇(BOBSON・0勝2敗)

C 1位:木造勇人(愛知工業大・2勝0敗)
2位:吉田雅己(木下グループ・1勝1敗)
3位:神巧也(T.T彩たま・0勝2敗)

D 1位:村松雄斗(東京アート・2勝0敗)
2位:濵田一輝(愛工大名電高・1勝1敗)
3位:田中佑汰(愛知工業大・0勝2敗)

E 1位:英田理志(愛媛県競対・2勝0敗)
2位:有延大夢(琉球アスティーダ・1勝1敗)
3位:吉村真晴(愛知ダイハツ・0勝2敗)

F 1位:吉村和弘(岡山リベッツ・2勝0敗)
2位:鈴木颯(愛工大名電高・1勝1敗)
3位:丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス・0勝2敗)

G 1位:曽根翔(愛知工業大・2勝0敗)
2位:岡野俊介(愛工大名電高・1勝1敗)
3位:龍崎東寅(三井住友海上火災保険株式会社・0勝2敗)

H 1位:水谷隼(木下グループ・2勝0敗)
2位:松島輝空(星槎中学校・1勝1敗)
3位:宇田幸矢(明治大・0勝2敗)

予選リーグで最も注目を集めたのはグループH。東京五輪代表の水谷隼、元全日本チャンピオンの宇田幸矢、そして松島輝空という3世代のサウスポー3人が同じブロックに入った。公正なドローの結果とはいえ、あまりに運命的な組み合わせだ。ちなみに水谷と松島は今日の午前中、ドローが決まる前に会場で練習をしていたという。「松島が『当たったらどうしよう』とちょっと言っていたので、それが現実になってちょっと気まずかったですね」(水谷)。

グループHの初戦、いきなり水谷対松島という注目カードが実現

そしてグループHの結果は水谷が1位、松島が2位、宇田が3位。水谷が初戦で松島を3−0、2戦目で宇田を3−1で退け、1位通過を決めた。松島戦は公式戦ではこれが初めての対戦。1ゲーム目に松島が13−15まで粘る健闘を見せたが、このゲームを奪った水谷は2ゲーム目は7−0と大量リードを奪い、3−0のストレートで一気に決着をつけた。「戦術の立て方やラリーでのタイミングのずらし方は相手が上でした」と試合後の松島。水谷の体つきはきっちりと絞り込まれ、中陣でのフットワークも非常に軽快。松島の粘り強いブロックも確実に打ち抜いた。

一方、その松島はグループHの第3戦で宇田を3−0のストレートで破り、2位通過を決めた。昨年(2020年)の4月に腰を傷め、それから3カ月ほど練習やトレーニングが全くできなくなったという宇田。「それほど長い期間練習ができないのは初めての経験だった。そこでフォームが崩れてしまい、(今年)1月の全日本選手権でもフォームが変わって良くない方向にいっている感じがあった。選考会前にはフォアの強化をしてきて、以前よりコンパクトに振れるようになってきたけど、試合ではまだミスが多いというのが反省点です」(宇田)。

腰の故障が長引いた宇田は、まだバックハンド主体のプレー。ここから爆発力を取り戻していきたい

「死の組」となったグループHを2位通過した松島。速さと守備力で宇田を制した

また、グループGでは東京五輪代表の丹羽がグループ3位でまさかの敗退。初戦で鈴木(愛工大名電高)の懐の深いヨーロッパスタイルの両ハンドプレーに逆転負けを喫し、続く吉村(岡山リベッツ)にも敗れて2連敗で選考会を終えた。

「今回の選考会では、(推薦での)出場権を得た中でそれを放棄して出場し、非常に強い気持ちで代表権を取りに行ったんですけど、結果を残せなくて残念です。9−9とか、大事な場面で自分が決めに行ったボールにミスが出たり、練習では入ったボールが入らなくなってしまった。今日は思ったより緊張していた。五輪までの残り1カ月で、今日負けたことで危機感を覚えたので1日1日を大切にして過ごしていきたい」(丹羽)。

プレーも体も、まだ本来のキレがなかった丹羽。ここから五輪までの1カ月で一気に上げていきたい

試合後に会見に臨む丹羽。五輪代表への注目度は高い

●決勝トーナメント1回戦
戸上隼輔 3−0 鈴木颯
水谷隼 3−2 吉田雅己
英田理志 3−2 岡野俊介
村松雄斗 3−0 平野友樹
木造勇人 3−0 濱田一輝
吉村和弘 3−0 松島輝空
曽根翔 3−1 有延大夢
篠塚大登 3−1 及川瑞基

続く決勝トーナメントの結果は上記のとおりだ。水谷対吉田戦はゲームオールまでもつれたが、最終ゲームは水谷が終始リードを保って試合を進め、最後は10−9のマッチポイントで強烈なチキータが吉田のフォアサイドを駆け抜け、勝負あり。「今まで一度も使っていないフォアへのチキータを使った」という水谷、戦術マスターの面目躍如という一本だった。

「まず3試合して3勝0敗ということで、非常に良いスタートを切れたと思います。この1年くらいはずっと五輪に向けて練習を積んできているので、状態としては非常に良い。もう来週に五輪があってもすぐプレーできるし、状態としては80%を超えてきています。

選考会に出るのは、うろ覚えですけど高校1年以来とか、それくらいじゃないですかね。ぼくは自然な気持ちで出たんですけど、周りの選手から10回くらい『違和感ある』『違和感ある』と言われて、ちょっと気に障りました(笑)」(水谷)

五輪に向けて順調な仕上がりを見せる水谷

その他の試合では、両ハンドの球威が増した篠塚が全日本王者のも水谷を3−1で撃破して準々決勝へ。さらにカット+攻撃の英田と村松が揃ってベスト8入りを決め、準々決勝で対戦。勝者がベスト4に進出し、アジア選手権の日本男子代表に内定する。

久々に好調なプレーを見せた村松。難敵・平野に快勝して8強進出

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