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Tリーグ

T.T彩たま、0-2からの大逆転勝利で2019劇的締め!

木下マイスター東京 2-3 T.T彩たま
9勝4敗 7勝6敗
1 田添健汰 11-8 8-11 14-12 神巧也
宇田幸矢 平野友樹
2 張本智和 8-11 11-8 11-6 10-11 11-9 ピッチフォード
3 侯英超 8-11 10-11 3-11 松平健太
4 丹羽孝希 6-11 8-11 9-11 ギオニス
5 張本智和 6-11 ギオニス

 

大逆転勝ちのT.T彩たま


東京・アリーナ立川立飛で行われた木下マイスター東京とT.T彩たまの戦い。現在4連勝中の木下マイスターが勝点27で首位、対する勝点23の彩たまは一度は首位に立ったもののそこから4連敗で3位に転落。彩たまは前回の岡山戦では新加入のギオニスの活躍で勝利を収め、再浮上へのきっかけをつかんだ。1位・木下マイスターと3位・彩たまの差は勝点4。男子は熾烈な上位争いとなっている。その熱戦を見届けようと会場には1743人のファンが駆けつけた。
第1マッチ、木下マイスター東京は昨日と同じ田添健汰/宇田幸矢ペア。対するT.T彩たまは神巧也/平野友樹のペアで挑んだ。今季3戦無敗の木下ペアが先制。第1ゲーム中盤6-7から9-7とリードを奪うとそのままゲームを奪取した。
第2ゲームも1-5、3-7と離された彩たまペアだったが、坂本監督が課題に挙げているダブルスを簡単に落とすわけにはいかない。神/平野がともに身上とする粘り強いドライブ攻撃で若手ペアに攻勢をかけ、7-8から4本連取で第2ゲームを奪った。
最終第3ゲーム、11-10で先にマッチポイントを取った木下ペアだったが宇田が決めにいったチキータをミスすると逆に11-12でマッチポイントを奪われる。だがこれが無敗ペアの底力か。ここをしのいで13-12とマッチポイントを取ると、今度は宇田のチキータがコートを駆け抜けてノータッチ。木下ペアが勝利した。

田添/宇田は無敗継続!


バトンを受け取った2番張本智和。ピッチフォードと対戦した。1ゲーム目は安定感で上回ったピッチフォードが11-8。2ゲーム目は11-8、3ゲーム目は11-6で張本が取って張本の2-1リード。ネットインなど不運なポイントもあったが、ピッチフォードにいつもの柔らかさが見られず、ミスが目立った。4ゲーム目は後半の競り合いを制したピッチフォードが奪い返して2-2のゲームオール。
最終5ゲーム目は9-7とリードしたところで張本がタイムアウトを取ったが、2点返されて9-9になりヒヤリとするシーンもあったが、最後はピッチフォードのバックがネットに当たってオーバー。張本が難敵ピッチフォードから勝利した。

勝利を噛み締めた張本




木下の2-0で迎えた第3マッチは侯英超vs.松平健太、今季3度目の対戦だ。試合前のオーダー発表から声援が飛ぶなど、過去2回の対戦同様の熱戦が期待された。昨日の岡山戦でも勝利していて好調の侯英超は今日もカットに攻撃にファンを沸かせる。しかし今日の松平も好調だ。しゃがみ込みサービスからの三球目攻撃など、攻撃マンを相手にしているかと思わせるよう速攻を見せ、4-6から5本先取で突き放して、第1ゲームを先取した。第2ゲーム、ここも終盤でリードを奪った松平。7-7でのサービスがエッジで入るラッキーなポイントを味方につけ、11-10。王手をかけた。
ピンチを迎えた侯英超、今日はやや集中力を欠くようなプレーぶり。第3ゲーム1-5、3-7と離されると、3-10ではバックハンドを簡単にネットにかけゲームセット。今季3度目のライバル対決は松平のストレート勝ちに終わった。

侯英超にリベンジ!


松平の勝利で1-2とした彩たま。4番は昨日から参戦しているギオニスが登場。木下マイスターは丹羽孝希と対戦した。「カットの基礎レベルが高く、若手が初対戦で勝つのはかなり難しい(T.T彩たま・坂本監督)」と、第1ゲームはギオニスのカットを打ちあぐねた丹羽。ループでつなぐのが精一杯で甘いループはギオニスのカウンタードライブの餌食に。11-6でギオニスが先取。
第2ゲーム、少し慣れてきた丹羽。前後の揺さぶりからチャンスボールを我慢強く待ち、ギオニスのコートに叩き込む。8-8と終盤で競ったが、勝負をかけて振っていったボールがミス。このポイントを逃した丹羽は第2ゲーム8-11で落とし、ゲームかうんと0-2。
第3ゲーム、3-2リードから2本連取され、3-4でギオニスのドライブをノータッチで抜かれた丹羽がタイムアウト。タイムアウト後は強いボールを積極的に放っていき、3-6から5-6まで迫ったがギオニスがタイムアウトで流れを断ち切る。7-9から9-9まで追いついたが、最後はギオニスのナックルカットをオーバーミス。ギオニスは昨日に続いてのTリーグ連勝を飾った。

ギオニスが続いた!


敗れた丹羽


ヴィクトリーマッチにもつれ込んだ年内最終戦。ラストを託されたのは木下マイスター東京は張本。そしてT.T彩たまは第4マッチを戦ったばかりのギオニス。坂本監督は「張本がベンチからいなくなったのが見えた(坂本監督)」とここでもギオニスに”初対戦の若手”をぶつけた。ラブオールの1本目、ギオニスのカットを張本がミス。1-0としたギオニスは今度は攻撃を仕掛けて2-0。続くポイントも張本にミスが出て3-0で張本がタイムアウト。初対戦のカットマンの回転に合わせるのはさすがの張本でも難しく、いきなりのアドバンテージ。この出足の貯金は大きく、4-3、5-4、6-5と近づけても常にギオニスがリード。「張本はチームが0-2から追いつかれていて少しプレッシャーを感じていたかもしれないが、私はチームのみんなに助けられてコートに立てて非常にリラックスして臨めた(ギオニス)」と、昨日からTリーグに参戦したとは思えないほど伸び伸びとしたプレー。8-6でカウンタードライブを決めるなど長身から繰り出す豪快な攻撃でも会場を盛り上げた。10-6のマッチポイントで三球目攻撃を決めてゲームセット。T.T彩たまは0-2からの後半3試合をすべてストレート勝ちという離れ業で鮮やかな逆転勝ちを収めた。

勝利したギオニス。指差しからの…


 

坂本監督と抱擁からの…


ファンのみんなとハイタッチ!


1ゲーム勝負のヴィクトリーマッチ。初対戦でボールに慣れる前に終わってしまった


声を出しすぎてインタビューでは声が枯れていた坂本監督も「ダブルスを落として勝利したのは初めて」と満足気。一方で「0-2というのは木下戦では不思議ではない」とチーム全員が落ち込むことなく最後まで勝つ気でいれたことを勝因にあげた。
2勝をあげたギオニスは「張本も丹羽も非常に良い選手。今日は初対戦で、私の経験が上回った」と謙虚なコメント。そして「早速チームに貢献できて嬉しい。ファンの応援が素晴らしく、私もチームのみんなも力をもらった」とファンを含めたチームの勝利だと語った。

笑顔ですが、声が枯れていて辛そうな坂本監督でした


これで2位に浮上したT.T彩たま。勝点26として、勝点28で首位の木下マイスター東京とは2点差だ。そして3位の琉球アスティーダは勝点24だが、上位2チームより1試合少ないので、次戦で勝利すると勝点27(4-0勝利だと28)となる。岡山リベッツは遅れをとっているが上位3チームが非常に拮抗した争いとなっている。来年のTリーグも目が離せない。

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