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Tリーグ

TOP名古屋、チーム初の4-0勝利で木下アビエルに勝ち点で並ぶ

日本ペイントマレッツ 0-4 トップおとめピンポンズ名古屋
4勝9敗 6勝8敗
1 松平志穂 5-11 10-11 梁夏銀
出雲美空 鈴木李茄
2 相馬夢乃 9-11 9-11 11-4 9-11 出澤杏佳
3 小塩遥菜 3-11 9-11 6-11 ハン・イン
4 松平志穂 10-11 5-11 9-11 梁夏銀

 

 日本ペイントマレッツ、2020年の初戦はホームにトップおとめピンポンズ名古屋を迎えての一戦。日本ペイントは4位、TOP名古屋は3位と、上位2チーム追い上げに向けて両チームとも負けられない試合となったが、TOP名古屋が昨シーズンから通じてチーム初となる4-0勝利。勝ち点で2位の木下アビエル神奈川に並んだ。

 トップのダブルス、日本ペイントは初起用の松平/出雲。昨日の日本生命レッドエルフ戦でも勝利するなど、ここまで3勝をあげている梁夏銀/鈴木に挑んだが、ともにダブルスに定評のあるTOP名古屋ペアは手強かった。序盤から丁寧にドライブでつないだTOP名古屋ペアに対し、日本ペイントペアは今ひとつ攻めが単調な印象で、ラリーでのミスが目立つ。2ゲーム目こそ10-8と日本ペイントペアが先にゲームポイントを握ったが、ここからTOP名古屋ペアが3本連取で逆転し、先取点を奪った。

 

ダブルスには定評のある2人、キッチリと勝利

 2番はともに高校2年生の日本ペイント・相馬とTOP名古屋・出澤の対戦。1ゲーム目は序盤から出澤が絶妙な軽打とストップからスマッシュにつなげ、7-2と一気にリード。相馬も足が動いてきたか7-7に追いついたタイミングで出澤がタイムアウト。これで流れを断ち、出澤がこのゲームを奪う。2ゲーム目は相馬が9-5までリードしたが、出澤がここから6本連取でゲームを連取。出澤は3ゲーム目こそ少し打ち急いだか、決定打のミスが目立って落としたが、4ゲーム目はバックの攻撃もうまく使いながら逃げ切る。高校生対決を制してTOP名古屋が王手をかけた。

 TOP名古屋は今日の午前は休息だったが、ひとり練習をしていたという出澤。プレーの確認、調整を行った成果か、相馬との試合ではどんな状況でも落ち着いていた。一方の相馬はリードする場面もあったが、最後まで流れをつかめず。攻撃を交えて崩しにかかるも出澤に止められ、逆に苦しい展開に追い込まれてしまった。

自分のプレーを貫いた出澤。Tリーグ2勝目


相馬は最後までペースをつかめなかった

 ハーフタイムを挟んだ3番、日本ペイントは全日本でベスト8とブレイクの中学2年・小塩を起用。対するTOP名古屋はエースのハン・イン。実力は折り紙付きのベテランチョッパー相手に小塩がどんなゲームを繰り広げるか注目が集まったが、試合はハン・インがさすがのテクニックを見せつける。

 打球点を変えたツッツキで小塩のミスを誘い、小塩得意の横回転を入れて振り抜くカット&ツッツキにも落ち着いて対応。2ゲーム目は小塩も横回転カットをうまく使って攻撃につなげたたが、7-7で長いツッツキ合いのラリーを落とし、8-9ではエッジと勝負どころで得点できず、ストレートで敗戦。「これが世界トップレベル」と言わんばかりのプレーで、ハン・インがチームの勝利を決めた。

頼れるハン・イン、貫禄の勝利


苦しい一戦となった小塩。カットの大先輩から学びを得てほしい

 ホームでの完敗は避けたい日本ペイントだったが、梁夏銀が立ちはだかる。「サービスにうまく対処できたのが大きい」(梁夏銀)と試合後に語ったように、両ハンドのラリー戦に松平を引きずり込んで、1ゲーム目からペースを握る。サービスもよく効き、大きくリードして2ゲームを連取。対する松平はボールが合わなかったか、バック対バックでミスを重ね、押される展開。3ゲーム目も攻めきった梁夏銀、シングルス7試合目にしてTリーグ初勝利、そしてTOP名古屋史上初の4-0勝利を決めた。

 「ここまで勝っていなくてプレッシャーがあったけど、気持ちが軽くなりました。チームの雰囲気も良いし、自分のプレーに集中できれば、結果はついてくると思います。Tリーグはレベルの高い日本人選手も多く、良い経験になるし、自分の成長につながります」(梁夏銀)

左右の揺さぶりにはめっぽう強い梁夏銀


松平はサービスで主導権を奪えず


自分にとっても、チームにとっても大きな勝利!

 4-0での勝利で2位につける木下アビエルと勝ち点23で並んだTOP名古屋。最小人数のベンチ入り4人で大きな勝利をあげた。

 「オーダー交換の時はどうかなと思ったけど、ダブルスが勝つことで流れができた。出澤は同じ年齢同士で緊張したと思うけど、昨日の試合を糧に良い試合をしてくれた。梁夏銀も気持ちのこもったプレーで最後まで戦ってくれた。4選手しかいないので、オーダーの組み方はふた通りくらいしかない。苦手な相手と当たっても気持ちで負けないように、と試合前に話して臨んだ」(藤川監督)。

 次戦は勝ち点で並んだ木下アビエルとの直接対決となるが、ドイツオープンと日程が重なっており、ハン・インは欠場の予定。「そうした時の戦い方がTリーグでは大事になると思う。日本選手の総合力に期待したいです」と抱負を語った。

次戦は木下アビエルと直接対決

 馮天薇、李皓晴らを五輪団体世界予選で欠き、苦しい試合となった日本ペイント。明日の試合は、前期MVPのサウェータブットが五輪予選が行われているポルトガルから参戦。ホームで2020年初勝利をあげられるか。

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