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「Tリーグ、選手会を作りませんか?」。吉村和弘(琉球アスティーダ)がTwitterの発信に込めた思いを聞いた

 

 

●吉村選手の考えに大いに共感する部分がありますが、一部のファンの言葉としては「観客数だけが全てではない」という意見もあります。

 

和弘 Tリーグに出場している選手はレベルが高く、オリンピックでメダルを獲得した知名度の高い選手が何人にもいます。そういったことからも、ぼくはもっと観客動員数を上げることができると思うんです。会場が遠かったり、都合がつかなくて会場に行けないなどの理由でネット配信で見てくださっている方にも感謝していますが、選手という立場からすれば、やっぱり観客は少ないよりも多いほうが燃えますし、観客数がモチベーションにもなります。

 

また、観客が多ければ多いほど、これから選手会として何かできるようになった時に、より多くの方に喜んでもらえると思うんです。ひとりでも多くのファンの方に、選手たちとのコミュニケーションを楽しんでもらえるようにしていきたいです。

 

●他のプロスポーツと比べて見た場合に、Tリーグの会場でのファンと選手との距離感という部分では、もっと良くしていく余地はあると感じます。それは物理的な距離感ということだけではなく、心の距離感という部分もあるのではないかと感じています。

 

和弘 例えば、ベンチ外の選手がファンの方と同じ席で一緒に応援するとか、そういうことができればより強い繋がりを感じてくれるんじゃないかと思います。試合を見て盛り上がるだけではなくて、プラスアルファーな部分も工夫しだいでできると思うんです。

現実的にできることを工夫していけば、もっとチームを好きになってもらえると思うんです。そうなれば、好きな選手が欠場する試合でもチームの応援として会場に来てもらえるようになると思うんです。

 

●吉村選手はドイツのブンデスリーガでのプレーの経験もあります。ブンデスリーガの試合はチームや選手とファンとの距離感が本当に近く、盛り上がります。

 

和弘 ブンデスリーガのチームには、ラッパや太鼓などを使った応援団が必ずあって、彼らが音頭をとって観客が足踏みなどで一体になって試合を楽しんでいるんですよね。プレーしている選手としても、すごく盛り上がります。ビールなどドリンクを飲みながら見ているので、プレーの瞬間は静かにしていますが、ラリーが終わるとワーッと声を出しだりして本当に楽しんでいます。

試合後は選手からファンの方に話しかけますし、ファンも選手に声をかけてくる。とてもフレンドリーな関係なんですよね。それはすごくいいなって思っています。

 

●コロナ禍に関係なく、Tリーグは鳴り物を使用しての応援は禁止なので、まずはルールを変更しないと難しい。

 

和弘 手拍子ももちろんうれしいのですが、そこをまず変えたいんですよね。応援のスタイルはいろいろあっていいと思うので、派手に応援したい方と静かに観戦したい方との席を分けてはどうでしょうかね。

プロ野球だとガンガン応援したい方は外野席に集まりますよね。Tリーグでもそういう感じにして、大きく応援したい方の席と、静かに見たい方の席を明確にしてみたり。

ぼくはプロ野球観戦が好きで時々球場に行くんですが、好きな選手が欠場したとしても、その場の雰囲気が良いので楽しいんですよね。だから他の競技から得るものはたくさんあると感じています。

 

●ブンデスリーガやプロ野球の全てを取り入れることはできないし、それが良いとも思わないけれど、良い部分や実現できそうな部分をTリーグに組み入れていくことで、Tリーグがよりよくなっていけると思います。

 

和弘 そうですね、できることはたくさんあると思います。ぼくとしては、まずは男女各チームからひとりずつ代表選手を決めていただいて、選手同士でオンラインで意見を出し合うようにしたいです。ぼくひとりだけでは良くできないので、Tリーグの選手たちと力を合わせていきたいですね。いろいろな意見を出して、提案していきたいです。

自分が言いだしたので、もう腹をくくっているんです。選手会を実現させて必ず良いリーグにしていきます!

 

●急なインタビューを受けてくれてありがとうございます。卓球王国としても、吉村選手を始め、選手会が誕生した際にはぜひ応援させてもらいます。

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