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Tリーグ

ギリギリの攻防、李平がベテランの技で琉球を勝利へ導く

岡山リベッツ 2-3 琉球アスティーダ
2勝8敗 7勝3敗
1 森薗政崇 11-9 11-7 有延大夢
町飛鳥 木造勇人
2 ワン・ヤン 11-8 10-11 11-8 8-11 9-11 李平
3 森薗政崇 11-8 11-9 8-11 11-9 荘智淵
4 吉田雅己 11-10 5-11 8-11 5-11 木造勇人
5 ワン・ヤン 7-11 李平

 
現在4位、勝ち点でかなりの遅れをとっている岡山リベッツ。
6~8日のホームマッチ3連戦で他チームとの差を縮めたいと臨んだ初戦の相手は、現在イケイケの琉球アスティーダ。
先月の23日の彩たま戦で、チームの復調の兆しを感じさせてくれた趙大成は、韓国の国内大会に出場のため欠場となったが、新たな戦力としてカットマンのワン・ヤンが加入。このピンチを救う救世主となれるのか?
1番のダブルスはラリーにならずに細かい展開の勝負になった。
サービス・レシーブ、そしてやや台から出たボールをしっかりループドライブで入れた森薗/町が先取。1ゲーム目からタイムアウトを使い、慎重にゲームを進めた。森薗はチキータを多用せず、ほとんどのレシーブをストップで対応。ロングボールに強い有延/木造のダブルストップをさせ、町につなげるパターンがうまくいった。

このペアで3連勝!新ダブルスは強い!


 
そして2番には新戦力のワン・ヤンが登場。今年の世界選手権でベスト16に入っている世界トップクラスのカットマンは、序盤こそ動きが硬かったが徐々に足を動かして、調子を上げていく。

世界ベスト16がTリーグに参戦


1ゲーム目をもぎ取り、2ゲーム目の6-0までは完全にワン・ヤンのペースだった。しかし、ここから李平が怒涛の追い上げを見せ、ワン・ヤンの歯車を狂わせていく。李平はミスの多かった強打を封印し、ナックルカットに無理をしない。前後、そしてミドルへのループドライブと中打を打ち込み、ワン・ヤンのミスを誘った。
ワン・ヤンの得意パターンは、バック表ソフトのカットで混乱させ、打ちあぐんだところをフォアの一撃。ナックルカットに苦しんでもらわないと、攻撃のチャンスも少なくなる。ワン・ヤンは3ゲーム目の接戦を攻撃を増やしてなんとか奪取したが、負けじと李平が4ゲーム目を取り返した。変化が見える李平にとって、我慢すれば勝てる状況に。5ゲーム目は李平が10-8で先にマッチポイントを握り、そこでラリー中にボールが体に当たったか、いや指に当たっただけだ、というジャッジがあったが、最後は李平が勝利。

李平のクレバーなカット打ち


李平もさすがは元中国代表。パワーで打ち抜くシーンはほとんどなかったが、ナックルをもろともせず、柔よく剛を制す、見事なカット打ちだった。
ワン・ヤンはデビュー戦を飾れなかったが、明日、明後日の出番にも期待したい。
これでゲームは1-1。次は森薗と荘智淵の戦いだ。
試合は森薗が先行。肘を高く上げた独特の構えからサービスを出している。少し前に大阪で伊藤美誠と練習合宿をやっていたというので、これは伊藤美誠効果だろう。
 

肘をくいっと上げた美誠スタイル


「サービスを真似しました。まだ正直、クオリティは低いですが、試合で出せたこと、そして効いたことは良かったです」と森薗。サービスエースも多く、点数は競ったが、最後は森薗がしっかりゲームをキープ。
ジリジリと手数を増やしていく荘智淵を振り切り、チームの顔・森薗が魂の勝利した。

さあ、岡山リベッツの勝利まであと1つ。4番で吉田が木造を迎え撃つ。
吉田は質の高いループドライブを軸に、木造のミスを誘っていく。木造としてはストップがピタリと止めて、台上勝負に持ち込みたいが、なかなかうまくいかない。しかし、2ゲーム目からは無理に大振りをせず、持ち前の打球点の早さを活かた速いラリーで得点を量産。回転の重さとしつこさでは吉田が上だが、全陣での早さは木造のフィールドだ。スピードで上回り、木造が試合をタイに戻し、VMに持ち込んだ。カードはまさかの2番の再戦になった。
2番の試合で完全に慣れたのか、李平のドライブに全くミスがない。バック表の変化が効かない李平を崩すには攻撃しかないワン・ヤン。焦りもあり、攻撃もミスが多くなり、カウントは6-2。フォアのカウンターが決まるなど、7-5まで追いつくも、バックに詰められてからのフォアへの強打という李平のパターンに何度もやられた。

張一博監督もにっこり


「相手が強く打たずにコートに一度落としてくる。とてもクレバーな戦いで、足が止まってしまいました」と試合後のワン・ヤン。「ドイツ、ポーランド、ロシアの3つのリーグに出ましたが、Tリーグはとてもファンが多く、質も高い。自分自身も勝ちたいと思ったし、明日以降も頑張ります」とコメント。今回は調整不足もあるだろう。今日の12時に日本に到着し、その足で会場入り。明日はもっと良いプレーを見せてくれるに違いない。
勝った琉球アスティーダは、またも勝利で再び首位へ!
張監督は「岡山戦はいつも紙一重。苦しい試合を勝ててうれしい。私たちは次は12月28・29日のホーム戦です。勝てるように頑張ります」と笑顔を見せた。
白神監督は「勝てそうで勝てない試合が続いている。だからこそ選手たちは苦しいでしょう。明日からまた頑張ります」と3連戦初戦でも目は死んでない。

琉球はこのままホームへ帰るぞ!

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