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Tリーグ

Tリーグ女子開幕戦。若きスター集団KA神奈川がトップ名古屋を圧巻の完封。張本美和は単複2点

卓球ノジマTリーグの第6シーズン(2023-2024)開幕戦。昨日の男子に続いて、本日女子の戦いが火蓋を切った。昨シーズンは首位を独走してプレーオフファイナルでも年間王者に輝いた木下アビエル(KA)神奈川。対するは昨シーズン、悲願のプレーオフ進出を果たしたトップおとめピンポンズ名古屋。昨シーズン成績1・2位の対決は、結果を見れば4-0とKA神奈川が圧勝。しかしスコア以上に接戦や好ラリーが多い見応えのある試合が展開され、アリーナ立川立飛を訪れた多くのファンを釘付けにした。

●Tリーグ女子開幕戦 730日/アリーナ立川立飛
〈木下アビエル神奈川 4−0 トップおとめピンポンズ名古屋〉
木原美悠張本美和 10、8 袁雪馬菀含
平野美宇 7、8、3 袁雪
張本美和 1、3、-10、7 安藤みなみ
長﨑美柚 -8、6、10、8 南波侑里香
(袁雪娇=ユエン シュエジアオ、馬菀含=マー ユーハン)

右利き同士ながら動きもよく、調整練習の成果が見られた木原美悠(左)/張本美和

1番ダブルスは、KA神奈川は伸び盛りの木原美悠張本美和ペア。対するトップ名古屋は、京都カグヤライズから移籍となった袁雪馬菀含という中国選手ペア。第1ゲームはサービス、レシーブの探り合いから接戦に。世界卓球2023のダブルスでメダルを獲得して成長を遂げた木原が、サービスでもコース取りでも冴え、ラリーで強い左右の中国ペアに競り勝って、KA神奈川ペアが先制。第2ゲームもKA神奈川ペアが木原のサービスなどで得点を重ねて、一気に勝利に向かうかと思われたが、トップ名古屋ペアがリスクを取っての攻撃的プレーで9-6と追い上げる。タイムアウトあけでトップ名古屋ペアがさらに2連続得点するも、KA神奈川ペアが逃げ切る。最後は張本の3球目攻撃から、木原の5球目決定打で鮮やかに勝利を手繰り寄せた。

 

好調を維持する平野美宇は、石川佳純の引退によりチームを引っ張る存在になった

2番は平野美宇vs袁雪娇。昨シーズンは袁が勝利をあげているこの対戦、出足からハイレベルなラリーの応酬となる。ハリケーン平野の打球点の早い両ハンドに対し、袁はバックでミドルやバックストレートを厳しく尽き、フォアのパワードライブを叩き込む。各ゲームとも競りあいから平野が少しずつリードを奪って逃げ切る展開。平野はサイドを切る厳しいコースのドライブを披露、フォアカウンターを得意とする袁をノータッチで抜き去る場面が度々見られた。3ゲーム目は平野が圧倒する展開となり、マッチポイントではチキータレシーブでエースを奪って、ストレートでの快勝となった。

 

安藤(右)への対策をとったという張本だが、ほぼ完全な形でリベンジを果たした

3番、張本美和vs安藤みなみ。前回対戦では安藤に敗れていた張本だったが、「対策を積んできた」という張本が1ゲーム目からスパーク。安藤のバックに落ち着いて対処してパワードライブを叩き込んで11-1の圧勝。2ゲーム目も張本が取ってワンサイドゲームになるかと思われたが、3ゲーム目は3-9の劣勢から粘り強く戦った安藤が8-9と追い上げて、11-10で逆転。最後は渾身の回り込みスマッシュで決めた。4ゲーム目も安藤が粘り強くラリーからチャンスをうかがったが、張本が攻めきって、ゲームカウント3-1で勝利。張本にとっては、安藤のスマッシュチャンスを封じる快勝、そして単複2点を叩き出す活躍で、KA神奈川の勝利を決定した。

 

長﨑(左)が先制を許しながらもきっちり勝利し、KA神奈川は最高の4-0発進

4番は長﨑美柚vs南波侑里香。チームの敗戦が決まったものの、南波は出足から気合充分。1ゲーム目は積極的な攻撃とミスのないラリーで主導権を奪って逃げ切った。しかし2ゲーム目は長が持ち味の厳しいコースへのバックドライブで快勝。3ゲーム目は南波の真骨頂である粘り強さが光って10-10へともつれたが、長が奪う。4ゲーム目ももつれたが、長﨑が逃げ切ってチームの完封勝利を決めた。

以下は試合後のコメント(抜粋)
平野「昨年は開幕で0-4で負けたので、今年は4-0で勝ててうれしい。ユニフォームやタオルなどを掲げて応援してくれたのが力になった。ファンの声援が力になると思うので、これからも応援をよろしくお願いします」
張本「(単複出場も)応援していただいたので疲労も感じず楽しく試合ができました。今年も2連覇を目指してチーム一丸となって頑張るので、会場に来て応援をよろしくお願いします」
中澤監督「本当にわずかな差の試合で、パリ選考会で相手選手に負けた試合も多かった。オーダーは強気でいこうと思い、勝ちきれて良かった。すごい熱い応援をいただいて心強いと思います。ベンチもみな一緒に立ち上がったり、暖かい声援を送って、チーム一丸となっていました。今日ご来場いただきありがとうございました。8月11・12日ホーム戦が江戸川区であるので、応援をよろしくお願いします」

 

王者・KA神奈川にとっては、前回の対戦で負けている相手と当たるオーダーとなったが、中澤監督いわく「オーダーについて選手たちに確認し、それで行こうとなった」という。そして対策したうえで平野も張本も鮮やかなリベンジを果たした。「勝つと同時に成長していきたい」という中澤監督の言葉どおり、今季のKA神奈川は守りに入るのではなく、さらなる高みを目指して連続優勝、そしてチームからのパリ五輪代表選手輩出を狙っていく。

 

今季、袁雪娇(右)/馬菀含ペアは、トップ名古屋のダブルスの中心となるかもしれない

対するトップ名古屋は、昨シーズン、鈴木李茄/南波侑里香ペアが全20戦に固定出場して14勝と大活躍を見せたが、鈴木が引退。ダブルスが今季の鍵となるが、開幕戦では中国ペアを起用。左腕の馬菀含はプレーがやや荒削りで、結果的に競り負けはしたものの、ペアリング経験を積めばパワーのあるダブルスとして活躍できるだろう。「今季のダブルスはいろいろ試していこうと思う」という若宮監督の選手起用にも注目したい。ダブルスが得点源となれば、安藤や袁というポイントゲッターの存在で、再び優勝戦線に絡んでいけそうだ。

36℃の猛暑に見舞われた立川に、大勢の観客が詰めかけた

試合開始前には、木原美悠・小塩遥菜両選手に参加者が挑戦するコーナーが。皆さん、木原選手のサービスの凄さに圧倒!

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