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バタフライの「One Decade」。必然のヒットを飛ばした『ビスカリア SUPER ALC』

今年の3月1日に発売された、バタフライの新作ラケット『ビスカリア SUPER ALC』。発売当初から、バタフライの研究開発部のスタッフも「ここまでとは……」と驚くほどの反響を呼び、注文が殺到。しばらく品切れの状態が続いた。トップレベルの契約選手ですら、すぐには手に入らなかったという話があるくらいだ。

「『ビスカリア』って名前がついてれば、売れて当たり前でしょ?」。そう感じるユーザーもいるかもしれない。……筆者もちょっと思わないでもない。しかし、『ビスカリア SUPER ALC』の開発が本格的にスタートしたのは2012年。発売までに10年もの時間を要している。

『ビスカリア SUPER ALC』に搭載された新素材、「スーパー アリレート カーボン」。その開発コンセプトは、「アリレート カーボンの球持ちの良さや打球感はそのままに、弾みを高めること」。開発の初期段階では、ただ飛ぶだけになったり、思うように弾みが上がらなかったりと、失敗作も数多く出たという。ようやく特殊素材として形になってからも、非常に硬いために加工が難しく、ラケットとして美しく仕上げることにも苦慮した。

「One Decade(10年)」。それはバタフライの製品開発のひとつのキーワードなのかもしれない。たとえばラバーなら、1997年に『ブライス』、2008年に『テナジー』、そして2019年に『ディグニクス』と、ほぼ10年単位で革新的な商品をリリースしている。戦略的に期間を空けている面もあるが、品質の安定のための量産試作にも十分に時間をかけ、満を持して新製品を世に送り出すのが「バタフライ・スタイル」だ。

弊誌の 別冊『卓球グッズ2022の試打では、フォア面に粘着テンション裏ソフトの『ディグニクス09C』、バック面にスピン系テンション裏ソフトの『ディグニクス05』という、思い切りトップ選手仕様のラバーを組み合わせて試打した『ビスカリア SUPER ALC』。果たして試打ではどのような評価を得たのか。購入を考えているユーザーの方に、ぜひ参考にしてもらいたい。

 

初代『ビスカリア』(奥)の伝説を引き継ぐ『ビスカリア SUPER ALC』

発売と同時に中国式ペンもラインナップ。ペンホルダーの選手には朗報だ