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中国リポート

年明けからハードな中国チーム。超級プレーオフから集合訓練&海外遠征へ

1月3日、王楚欽、林詩棟、孫穎莎、王曼昱といった国家男女チームの主力選手が、海南省(海南島)万寧市に到着。23日間の集合訓練に入った。パリ五輪後に国際大会などでの遠征が続き、計画的な練習ができていなかった選手たちの調整を行い、1月30日〜2月9日に行われるシンガポールスマッシュに備える。真冬でも最高気温が20度近くになる「東洋のハワイ」、海南島での練習は気候が近いシンガポールへの移動に備えた適応の意味もあるようだ。

一方、男子の向鵬・徐瑛彬・黄友政・陳垣宇、女子の銭天一・蒯曼・陳熠・縦歌曼といった若手主体の選手団は、WTTスターコンテンダー ドーハに出場。「及第点」がもらえるのは、女子シングルスで大藤沙月、長﨑美柚、木原美悠という日本勢を破って優勝した蒯曼くらいか。男子の出場選手はベスト8に残ることができなかった。

……そういえば、12月30日〜1月1日に上海市体育館で行われた中国卓球クラブ超級リーグ・プレーオフの結果を載せそびれていました。すみません(汗)。男女準決勝・決勝の結果は下記のとおりとなった。

■2024中国卓球クラブ超級リーグ・プレーオフ

●男子準決勝
〈黄石基地・華新 3−1 汕頭明潤〉
向鵬/薛飛 −8、−8、−9 林高遠/徐海東◯
◯林詩棟 3、−11、7、9 陳垣宇
◯薛飛 6、−9、9、8 林高遠
◯林詩棟 5、4、5 徐海東

〈山東魏橋・向尚運動 3−0 上海地産集団〉
◯梁靖崑/林昀儒 8、−14、9、9 許昕/周愷
◯王楚欽 9、5、−5、3 樊振東
◯梁靖崑 3、−4、8、5 周愷

●決勝
〈山東魏橋・向尚運動 3−0 黄石基地・華新〉
◯梁靖崑/林昀儒 8、−9、4、−9、9 向鵬/薛飛
◯王楚欽 −6、10、4、−6、5 林詩棟
◯梁靖崑 5、−8、9、5 薛飛

プレーオフ男子は山東魏橋・向尚運動が3シーズンぶり3回目の優勝。第1ステージで敗れた黄石基地・華新との決勝では、第1ステージで欠場したエース王楚欽が出場し、2番で林詩棟とのエース対決を制して勝負の大勢を決めた。王楚欽は準決勝の上海地産集団戦でも樊振東を破り、エースの重責を果たした。

男子はシングルスMVPには林詩棟、ダブルスMVPには林高遠が選出。しかし、林高遠は彼を卓球の世界へと導いた父・林建宇さんが重病となり、表彰式には出席せず。3日後の1月4日深夜、林高遠は『微博』の建宇さんのアカウント「高飛遠翔」で「このアカウントでは最後の投稿になります」と父の死を発表。父との思い出を振り返り、「私は母を大切にし、家族に対する責任を担っていきます」と語った。

超級リーグ男子優勝の山東魏橋・向尚運動

エースの働きを見せ、山東魏橋・向尚運動を優勝へと導いた王楚欽

●女子準決勝
〈深圳大学 3−1 上海龍騰〉
蒯曼/覃予萱 7、−4、−8、−10 劉煒珊/陳熠◯
◯孫穎莎 −10、5、5、11 何卓佳
◯蒯曼 6、9、−6、−6、8 陳熠
◯孫穎莎 9、10、11 劉煒珊

〈山東魯能 3−0 黄石基地・華新〉
◯陳幸同/銭天一 6、8、7 木原美悠/鄭先知
◯王曼昱 5、3、3 姚睿軒
◯陳幸同 9、5、8 木原美悠

●決勝
〈山東魯能 3−2 深圳大学〉
◯陳幸同/銭天一 −5、7、5、11 蒯曼/覃予萱
王曼昱 9、4、−9、−7、−5 孫穎莎◯
◯陳幸同 8、5、−7、7 蒯曼
銭天一 −7、9、9、−4、−3 孫穎莎◯
◯王曼昱 4、−3、7、−8、7 覃予萱

プレーオフ女子は、6シーズン連続の山東魯能と深圳大学による決勝となり、山東魯能が接戦を制して優勝。6回連続での決勝の対戦成績は、山東魯能の4勝2敗となり、通算では実に9回目の優勝を飾った。深圳大学は孫穎莎がゲームオールの2試合を制して2点を挙げたが、ラスト覃予萱(チン・ユーシュアン)が健闘及ばず、王曼昱に惜敗した。

黄石基地・華新の木原美悠(木下グループ)は、準決勝の山東魯能戦に出場するも、単複とも勝利を挙げることはできなかった。しかし、チームをプレーオフに導いた活躍は特筆すべきだろう。WTTスターコンテンダー ドーハでも申裕斌(韓国)や陳熠(中国)らを破り、準優勝の好成績。2025年は上々のスタートを切った。

超級リーグ女子優勝の山東魯能。通算9回目のV

黄石基地・華新の木原美悠、勝ち星は挙げられずもプレーオフ出場は快挙

女子決勝のラストを締めた王曼昱。若手の覃予萱との打撃戦を制した

★写真提供:『ピンパン世界』

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