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「我々の目標は、日本卓球界の悲願である中国を倒して優勝することである」日本女子馬場監督

 

リオ五輪の女子団体で銅メダルを獲得した日本女子

 

東京五輪までおよそ1カ月。この間までは「東京五輪開催の是非」が問われていたが、五輪開催に向けて準備が進む中、現時点では観客の有無や上限の問題がメディアで騒がれている。

いつものオリンピックなら壮行会が行われ、メダル獲得は誰なのかという話題でもちきりになる時期だが、今回は驚くほど静かで、選手たちの声も聞こえてこない。

そういう中で、日本女子の馬場美香監督が東京五輪への抱負を、卓球王国最新号で語っている。

馬場監督は旧姓・星野。実は1988年ソウル五輪と1992年バルセロナ五輪の日本代表であり、エースだった。特に、卓球にとって初の五輪となったソウルでは、女子ダブルス(星野・石田清美)で準決勝に進み、準決勝とメダル決定戦で敗れて、メダルを逃した。そこから日本の卓球は、2012年のロンドン五輪の女子団体まで、実にメダルを獲るまで24年の月日を要した。

東京五輪の日本女子は世界ランキング2位の伊藤美誠(スターツ)、石川佳純(全農)、平野美宇(日本生命)という強力な布陣だ。前回は、福原愛・石川・伊藤だったが、それに匹敵か、それ以上の、つまり史上最強のメンバーで大会に臨む。

「大会では混合ダブルスが最初にあるので、その混合ダブルスによって男女とも勢いをつけていきたい。それは男女監督の一致した思いです」と馬場監督は、24日からスタートする卓球競技の最初の種目となる混合ダブルス(水谷隼・伊藤美誠)に期待をかけている。

前回のリオ五輪では、大会前半のシングルスで水谷隼が日本初のシングルスのメダルを獲得して日本チーム全体に勢いをつけ、その後の男女団体のメダル獲得につなげた。混合ダブルスでメダルを獲り、その後のシングルスでは日本男女のエース、張本智和と伊藤美誠がもしメダルを獲得すれば、一気に団体のメダルへ拍車がかかる。

「日本の女子はロンドン、リオと2大会連続でメダルを獲得しているが、チームの力というのは今までのチームより落ちることはない。選手個人のランキングなどの実績を比べれば、過去のチームよりも上だと言えるだろう」(馬場監督)。

そして、卓球王国のインタビューの最後で馬場監督はこう語った。

「我々の目標は、日本卓球界の悲願である中国を倒して優勝することである。それはすべての種目で達成できる可能性があると思っている」。いつもマスコミの前では控えめなコメントが多く、記事になりにくい馬場監督のインタビューなのだが、今回は静かではあるが確固たる自信がうかがえるインタビューだった。

卓球の会場となる東京体育館は卓球の聖地とも言える場所だ。観客がいれば、選手たちの背中を押してくれるだろう。もし無観客になったとしても、日本代表は素晴らしい試合を見せてくれるはずだ。

リオ五輪では水谷の銅メダル、男子団体の銀メダル、女子団体の銅メダルという成績を残した「卓球ニッポン」。東京五輪では、新種目の混合ダブルスを含め、すべての種目でのメダル獲得が現実的な目標と言える。

さらに中国を倒しての金メダル獲得も夢ではない。それが達成できれば日本の卓球史を塗り替えるだけではなく、中国独占の世界の卓球界を揺るがす「快挙」として卓球史に刻まれるだろう。

 

日本女子を率いる馬場美香監督

 

 

本日発売した卓球王国8月号

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